廃ガラス活用のハイドロカルチャー製品 (株)トリム 社長 新城 博氏(沖縄)

廃ガラス活用のハイドロカルチャー製品
(株)トリム 社長 新城 博氏(沖縄)

 (株)トリム(新城博社長、沖縄同友会会員)をコア企業とする新連携事業「リサイクル素材を利用したハイドロカルチャー製品の開発・販売」が、昨年7月に沖縄県の新連携支援地域戦略会議で第1回目の認定を受けました。

 (株)トリムではすでに、廃ガラス再資源化による資材の技術開発に取り組んでおり、全国9カ所にあるエコ商品「スーパーソル」のプラント工場が、製造・販売まで行う拠点となっています。

 連携事業は、微粉化した廃ガラスと県産土壌を混合し、焼成した多孔質素材を活用することで、水の腐食、カビを抑え、ミネラル補給が可能な水耕栽培地資材の製造技術を有する(株)トリムと、亜熱帯植物の栽培技術を有する(有)ぎのざ観葉(沖縄県宜野座村)、陶器製鉢類の製造技術を有する名幸花鉢工場(沖縄県沖縄市)、製品企画、全国流通ネットワークを有する(有)プラネットファーム(沖縄県宜野湾市)の3社で構成されています。

 土を使わない観葉植物の鉢植えは、軽くて清潔で室内での設置に適していますが、今回製品化したものは、既存のハイドロカルチャー(粘土を高温で発泡焼成させた無機質の石を土の代わりに使用した水耕栽培方法)と比べ、価格、防臭、防腐、防虫等において、優位性の高い商品として、注目されています。

 観葉植物の中でも亜熱帯植物は空気の浄化に適しているといわれますが、現在は台湾やフィリピンなど、外国からの輸入が中心で、その市場は未成熟。そこで、亜熱帯特有の色彩を用いた鉢と植物と礫(れき)を組み合わせた「沖縄県産品」として県外市場に展開していきます。

 3年計画の2年目を迎え、いよいよ製品を市場に送り出していくことになります。「ニーズはあっても商品になるかが課題で、レストランや病院など、ネット販売を核に全国販売代理店と合わせて打ち出し、一般消費者まで広げていく」と、販売に力を入れています。

 また、この事業をより推進するために、商工組合中央金庫那覇支店より低金利での融資を受けています。

「中小企業家しんぶん」 2006年 10月 5日号から