第24回中小企業労使問題全国交流会

経営姿勢の確立と理念の共有で

労使のコミュニケーションを深め強靱な経営体質に
【第24回中小企業労使問題全国交流会】

 第24回中小企業労使問題全国交流会(中同協主催)が7月26~27日、名古屋で開かれ、27同友会と中同協から245名が参加しました。「経営姿勢の確立と理念の共有、強靱(きょうじん)な経営体質はこれで叶(かな)う~『労使見解』の精神で困難な時代を乗り切る中小企業をつくろう」をメインテーマに、1日目は日本大学教授・永山利和氏の基調講演、2日目は(株)丸竹社長・服部勝之氏(愛知同友会会員)の事例報告を受け、雇用・労働環境変化の中で、どのような労使関係を築きながら経営者としての責任を果たしていくかを深めました。(報告集は10月発行予定)

 冒頭、広浜泰久・中同協幹事長が「同友会の先輩たちが32年前、汗と涙の中で討議しながらまとめた中同協『労使見解』(中小企業における労使関係の見解)にもとづき、経営指針成文化運動をはじめ、社員が誇りを持って働ける企業づくりに取り組んできた。雇用環境が変化する中で、この『労使見解』の精神をどう発展させていくのか、深めていきたい」とあいさつ。

 基調講演「時代・環境が変化しても、中小企業経営に求められ続けている“本質”~『労使見解』の現代における意義」で永山・日大教授は、「経営者の責任」に始まる「労使見解」の8項目について、その歴史的意味をふまえながら、雇用の多様化や、労働と家庭生活の両立を図っていく「ワークライフバランス」などが重視されていく雇用環境下での現代的意味について考察。労働ビッグバンについても、経済のグローバル化の中での変化であることの本質をとらえていくことの重要性を強調しました。

 2日目の事例報告では、服部勝之氏が「わが社はこれで変わった!~指針・採用・共育に魂を吹き込んだ『労使見解』」と題して自社における実践を報告しました(5面に報告概要)。

 最後に、今年度から新たに中同協経営労働委員長となった大野栄一氏(愛媛同友会代表理事)が、「『労使見解』では、この間、社員の個を尊重しながらコミュニケーションを深めていくこと、そのためにも理念の確立が重要であることが確認されてきた。そこでは経営者の総合的な実践が問われており、来年は、経営労働委員会、社員教育委員会、共同求人委員会合同で交流会を開くことになった」とまとめました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 8月 15日号から