2007年、中同協では第39回定時総会(7月)を香川で、第35回青年経営者全国交流会(9月)を山口で、また、第12回女性経営者全国交流会(6月)を東京で開催します。3つの開催地から、新春の話題を紹介します。
●郷土色豊かな地域が誇る平和と幸せを求める群像【香川】
●みんなちがって、みんないい【山口】
●墨田に生きるマイスター【東京】
郷土色豊かな地域が誇る平和と幸せを求める群像【香川】
小豆島(香川県)の歴史は神話時代にさかのぼります。日本最古の正史である『日本書紀』には、阿豆枳(あづき)辞摩(じま)の記述が見られ、そして古代から南北朝時代くらいまでは、内海地区は草加部郷(福田地区は小海郷)、池田地区は池田郷と称され、古代王権中期の3世紀ごろには応神天皇が小豆島を行幸し、各地に伝説が残る歴史のある島です。
そのような歴史と日本のオリーブ栽培発祥の地でも知られる小豆島に、ブロンズ像「平和の群像/二十四の瞳」があります。この像は、1954年、郷土作家・壷井栄の不朽の名作『二十四の瞳』が映画化され、これを記念して「大石先生と12人の子ども達」のブロンズ像が建てられました。この群像には、平和と幸せを求める永遠の願いが込められています。
穏やかな風光が広がる島内には、小説に登場する岬の分教場が今も残り、当時のままの教室を見ることができます。そして、近くには大正・昭和時代の懐かしい村の様子が体験できる二十四の瞳映画村があります。
7月の全国総会では、そのような郷土色豊かな物語で皆様をお迎えいたします。
(K)
みんなちがって、みんないい【山口】
童謡詩人・金子みすゞの育った山口
童謡詩人・金子みすゞは、日本海に面した大津郡仙崎村(現在長門市)に1903年に生まれ、童謡を書き始めたのは下関で生活していた20歳のころからでした。西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」とまで賞賛されながら、26歳の若さで世を去りました。
彼女は、違いを認め、物の本質をそれぞれの視点でだれにでもわかるやさしい言葉で表現しています。
『つもった雪』では、上、中、下の雪とそれぞれ違った立場での思いを。『土』の中では、ぶたれる土はよい畑に、ふまれる土はよい道になる。でもそうでない土はいらないのかと問い、「いえいえそれは 名のない草の おやどをするよ」と答えています。
効率を優先している現在、本当に幸せでしょうか。役に立たないものはいらないのでしょうか。
9月の青全交では、彼女の世界と同友会経営について深めてみたいと思います。
(O)
墨田に生きるマイスター【東京】
現代の暮らしにあった屏風を提案
新・東京タワーの建設予定地(墨田区業平橋)近くに、(株)片岡屏風店(片岡恭1社長、東京同友会会員)の「小さな博物館『屏風博物館』」があります。
「小さな博物館」とは、中小企業の振興育成を図るため、墨田区が展開している「3M運動」(「小さな博物館」「マイスター」「工房ショップ」)の1つ。片岡屏風店は3Mすべての認定を受けており、昨年末には、東京マイスターの認定も受けました。
1階の展示スペースでは、屏風や道具類を展示。現代のライフスタイルにあった屏風の提案もあり、屏風に関心のある人が全国から訪れ、こんな屏風を作ってほしいとの依頼も絶えません。取材当日、2階の作業場では、おひな様の金屏風づくりに追われていました。
今、力を入れているのが、「思い出を屏風にしませんか」という提案と、墨田区のマイスター同士によるコラボレーション。お母さんの形見の帯を4人姉妹で分けたいので、その帯で4種類の屏風を作ってほしいとの注文には、さまざまなアイデアを盛り込んで作成したところ、とても喜ばれ、テレビでも紹介されました。
コラボレーションでは、すみだの職人グループ「パルティーレ」を結成。彫刻、べっ甲、羽子板などのマイスターが、次の時代の暮らしにあった商品を連携して創造していこうと、毎月例会を重ねています。2月2~7日には、表参道ヒルズのギャラリーKOWAで作品展を開きます。
墨田区では2011年の新タワー開業に合わせ、葛飾北斎ゆかりの地として区所有の北斎コレクションを展示する北斎館(仮称)の開館を予定。片岡屏風店では、墨田区と契約し、北斎の版画を原寸大の屏風にしており、「新タワー完成による新しい人の流れに期待している」と片岡恭一さん。
(M)
「中小企業家しんぶん」 2007年 1月 5日号から