【兵庫】下請型企業から自立型企業へ~アドック神戸10年で展示とシンポジウム

 「アドック神戸10年間の歩み 下請型企業から自立型企業へ」と題した展示会とシンポジウムが2月15日、神戸市産業振興センターで開かれました。兵庫同友会の共同開発・共同受注グループ「アドック神戸」が、阪神大震災を契機に生まれた製造部会とあわせて設立10年となることを記念して開かれたもの。

 近畿経済産業局や兵庫県、神戸市などの行政機関、神戸大学、兵庫県立大学、阪南大学など大学関係者、そして地域金融機関など、アドック神戸がこの10年で築いてきた幅広いネットワークを裏付ける産学官から約140名もの来場者がありました。

 展示では、アドック神戸第1号共同受注案件である薬剤自動分封機を始め、インテリアスピーカーや細菌・ウイルス瞬間熱殺滅装置、コンタミ残留異物測定器、そして「ワット神戸」のブランド1号機となるマイクロ風力発電など12件の共同開発・共同受注の成果事例を展示。来場者は、実際に現物に触れながら、開発担当者の説明に熱心に耳を傾けていました。

 パネルディスカッション「共同開発・共同受注の試行錯誤と成果」は、アドック神戸のメンバー4名をパネリストに、兵庫県立大学教授の佐竹隆幸氏のコーディネートで行われました。「このメンバーのためなら損してもいいと思えるような信頼関係を作ってきたことで、初めて共同開発ができた」「自分が責任もって開発・製造していく経験を積むなかで、下請的発想から脱却できた」など、アドック神戸を通して自立型企業へと変わっていった体験が語られました。

 佐竹氏は最後に、中小製造業による連携成功のポイントとして、(1)産業連関性、(2)ソーシャルキャピタル(信頼関係)、(3)徹底した地域密着をあげ、さらに事務局体制など、きちんと責任を負える仕組みづくりの重要性を指摘しました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 2月 25日号から