同族会社課税強化の凍結を~福岡同友会が1万名署名を達成

 同友会をはじめ、全国法人会や東京商工会議所などでも反対決議があがるなか、昨年4月に施行された「特殊支配同族会社役員報酬の給与所得控除の法人課税所得加算」。2006年度の課税額が通知されるこの5月には、現実を知った経営者の間に混乱が起こることが予想されています。

 2005年にこの法案が出された直後から反対行動を起こしてきた福岡同友会では、凍結を求める署名活動に昨年9月から取り組み、2月末時点で1万名署名を達成しました。

 この税制は、新規創業を促進する会社法改定などの政策と矛盾している、「特殊支配同族会社」という表現は、中小企業差別の上にたつものであり、地域経済を支える中小企業を直撃する税制は、地域経済の更なる停滞と格差を広げるなどから、福岡同友会では昨年1月に理事会で反対を決議。勉強会開催や、福岡県選出の国会議員全員に要望書の提出とアンケートを実施。福岡商工会議所とも懇談、凍結に向けた申し入れも行いました。さらに、自分たちの「声」を形にして訴えようと、この税制の一時凍結を求める署名に取り組んできたものです。

 その後、基準所得(課税所得+業務主宰役員給与)を800万円から1600万円に引き上げる改正が打ち出されましたが、同政策金融委員会では、これを運動の成果として認める一方、簡単に課税限度額が変更できる税制の問題点を指摘、中小企業憲章制定をめざす同友会としては、根底にある中小企業観を変える必要があるとの認識で、引き続き1万名署名達成を呼びかけてきました。

 今後、福岡同友会では、中同協とも連携して各政党への働きかけや、福岡県選出の国会議員への陳情行動を起こすことにしています。

▼中村高明・福岡同友会政策金融委員長のコメント

 経営環境の改善は、金融アセスメント法制定運動で経験したように、全国の会員の結束がないと達成できません。「特殊支配同族会社の増税」税制凍結のため、全国の皆様の結束をよろしくお願いします。中小企業の繁栄を阻害する問題が生じた際は、私たちの主張をそのつど世の中に訴えなければなりません。その地道な活動が、憲章への道を切り開くものと考えます。

「中小企業家しんぶん」 2007年 3月 15日号から