新銀行東京-「役立っていない」が6割~東京同友会が緊急アンケート

 「中小企業のために」と東京都が設立した新銀行東京に、新たに400億円を追加出資するという都の方針をめぐって、東京同友会では全会員を対象に緊急アンケートを行い、その結果が注目を集めています。

 東京同友会では、2月28日から全会員を対象に緊急アンケートを行い、218通を回収。その結果をこのほど発表しました。

 まず、「新銀行東京」を利用したことが「ある」9・2%、「ない」89・8%で、利用した会員企業は1割弱にすぎません。利用しなかった理由では、「必要性がなかった」が63・3%で、「検討したが、条件が合わなかった」が10・2%、「新銀行東京に借りると企業にマイナスイメージ」も7・1%ありました。「条件に合わなかった」のは、「金利が高い」「年利7%提示があり、高すぎた」など、ほとんどが金利など融資条件が中小企業に見合っていなかったことがその理由。

 また、「中小企業に役立っているか」の問いでは、「役立っている」10・6%に対し、「役立っていない」が59・6%と約6割。さらに、400億円を追加出資し、同行を存続させることについては、「金融庁とも相談し早急に整理した方がいい」が59・2%と、これも約6割に上っています。

 「中小企業のために」と設立された新銀行東京ですが、支援対象である中小企業自身からの厳しい評価がうかがえます。実際、同行の中小企業への融資は47・2%と半分以下でした。

 東京同友会では、3月14日の総会でも「追加出資で中小企業に役立つものに変えられないのなら、都の制度融資の充実に予算を回すべき」などの意見が出されており、近日中に声明を発表する予定です。

「中小企業家しんぶん」 2008年 3月 25日号より