大型製品専用の紙袋で独自性
関西紙工(株) 常務取締役営業部長 山口 隆司氏(大阪)
独自開発マシンで大型紙袋を一貫生産
関西紙工(株)は、1958年(昭和33年)創業、大阪同友会と同じく今年で50周年を迎えます。
蛍光灯器具を入れるボール紙の個装カートンの生産を機械化したことが成長の起因となり、この分野では圧倒的な強みを発揮してきました。以来、半世紀にわたり、梱包資材メーカーとして主に物流サポートに務めてきました。
現在注目される最大の特徴は、大型製品専用の梱包用紙袋を全国唯一の独自開発マシンによって一貫生産するシステムを実現したことです。
大型紙袋は、ベッドやふとん、カーペットなどの大型製品を入れるために用います。用途は寝装具、衣料品など繊維製品、インテリア、食品など。紙にクロスや糸をはって強度を強め、ある程度の防水性もあります。
最大で、袋間口4.52メートル、袋丈2メートルの超大型外装袋も機械生産が可能、キングサイズのベッドマットが入る紙袋もできます。
大型の紙袋は、以前は手作業でしかつくれませんでした。同社はそれを全国唯一の独自開発マシン(P・A・T)で機械化を実現しました。
広い工場では巨大な機械が稼動、最大のものではロール紙を2本分横にはり合わせて巨大紙をつくり、袋に加工されるところまで自動化されています。製品となった袋は折り畳まれて重ねられ、パレットに載せて積み上げられます。
空気注入した荷崩れ防止資材
もう一つの特徴的な製品は、空気を注入して使う荷崩れ防止資材「エアーダンネージバッグ」です。コンテナ内など流通の過程で荷崩れを防止する目的で使用します。
以前は木製のものが役割を果たしていましたが、環境適応品として多層ポリを素材にしたエア・バッグを使うことにより、時間短縮とコスト削減につながります。
同様の製品をつくる会社は世界で約20社あるとのことですが、同社の強みは、逆止弁(注入した空気が抜けるのを防ぐもの)の間口が広いこと。そのために一般的な商品に比べて五倍のスピードで空気を充填することができます。
形に応じて空気の量を変えることで隙間をなくし、荷物を固定できること、軽量で済むことなどから、これからの物流輸送に需要が広がっていくことが期待されます。
会社概要
創業 1958年
資本金 4500万円
社員数 36名(内パート11名)
業務内容 超大型梱包用紙袋製造・コンテナ内荷崩れ防止用エアーバッグ製造・蛍光灯反射板等の個装カートン製造
所在地 大阪府柏原市円明町
TEL 0729-76-2700
http://www.kansaishiko.co.jp/
「中小企業家しんぶん」5月25日号より