今、社長が打つべき手は…経営危機突破で緊急勉強会【兵庫】

 兵庫同友会では12月20日、「今、社長が打つべき手は何か」(経営危機を突破するための緊急勉強会)を開催、52名が参加しました。

 田中信吾代表理事が、「比較的調子がいいと言われてきた製造業が急激に落ち込んだ。年が明け、年度末を迎えるころには、この影響が全業種に広がる。危機感を持って経営方針の見直し、確立を行うことが大切」だとし、経営指針の見直しについて次のような問題提起をしました。

 (1)まず具体的な見直しに入る前に、自社の経営理念及び存在意義を再度確認する。(何を重点に顧客の期待にこたえるのか)

 (2)得意先別(または商品別)ABC分析を行い、上位10~30社(売上の50~70%)を占める主要顧客(または商品)の状況を顧客訪問等でつかみ、今後の売上計画をリアルに見直す。(年計表は、顧客の状況をつかむ上で大変有効)

 (3)その上で10%、20%、30%(またはそれ以上)の売上減少の見通しを立て、それぞれの場合の仕入(原価)、販売管理費等を計算し、損益をシュミレーションする。その際、勘に頼るのではなく、過去その程度の売上だった時の決算数字等を参考にする。ただし、人件費等の固定費が上昇している場合は、現状を踏まえて検討する。

 (4)それを基に月次の資金繰り表を作成する。資金が窮屈になる時期を把握し、早めに資金手立てをする。

 参加者は問題提起に基づき、その場で自社の計画の見直しを行いました。

 兵庫同友会が行った直近の景況調査では、資金繰りの見通しに不安を持っている会員企業が増加していることから、2月3日には「資金繰り表の作成とキャッシュフロー改善策」の勉強会の開催を決めました。2月14日には、見直した経営指針をどのように社員と共有し、成果の上がる行動につなげるか、今、社長がやるべき社員教育についての勉強会「社員を奮い立たせる、士気を高める」も開催します。

「中小企業家しんぶん」 2009年 1月 25日号より