地域力経営を深めよう―中小企業の役割を自覚し、ビジョンづくりへ【宮崎】

 宮崎同友会の第18回定時総会が4月17日に開かれ、「宮崎の今を支える企業になろう! 宮崎の未来を支える人を育てよう!」をスローガンとした7つの柱からなる2009年度重点活動など、5つの議案を確認し、新年度活動のスタートを切りました。

 今総会では、地域力経営について2人の会員による事例報告と、昨年7月にスタートしたビジョン委員会の中間報告を行いました。

 (有)ひろせ本店の広瀬吉弘社長は、昨年末に人口の45%が60歳以上の町に出店して気づいた自社の強みと高齢社会に対応した事業戦略、(有)慶助の河野寛利社長は、基盤とする町の人口が年々減少し、市場が縮小することへの対策として取り組んできた新規事業と地域内再投資について報告。

 ビジョン委員会中間報告では、根岸裕孝・宮崎大学教育文化学部准教授が「地域力の向上と中小企業の挑戦」と題して問題提起。根岸氏は、産業連関表をもとに、宮崎県の財・サービスの流れや人口推移と地域内総生産の将来推計から、県経済の現況と課題と、地域での中小企業の役割について、この3年間の企業訪問でつかんだ会員企業の事例を交えながら報告。さらに、地域中小企業振興ビジョンの必要性を提起しました。

 宮崎同友会では、ビジョンについて各支部でも議論を重ね、宮崎県の産業振興戦略やそれを実現する同友会のあり方を明らかにしていくことにしています。

 総会では、来賓の渡邊亮一・県商工観光労働部長が「職員にも例会やセミナー等に声をかけていただき、企業現場を知る貴重な機会となっている」、高藤和洋・県福祉保健部障害福祉課長が「障害者の自立と社会参加には働く場のあることが大切。同友会に期待している」と祝辞を述べました。

「中小企業家しんぶん」 2009年 5月 5日号より