「障害者雇用のためのハンドブック~障害者雇用事例集」を発行【北海道】

人の役に立つ喜びが高い能力発揮につながる

 「人の役に立ちたいという気持ちが強いです。そういう場を考えてあげると生き生きと働きます。褒(ほ)められ、役に立ち、必要とされることは人間を元気にさせ、より高い能力を発揮してくれます」(日本理化学工業(株)美唄工場)

 「(当社で働く)知的障害者が、車椅子使用者の出退勤時に自動車まで車椅子をもっていき、手助けしてくれます。人の役に立つことを誇りに思い、生きがいに感じているようです。そのような純真さに周りの健常者にも意識の変化がみられ、会社全体の雰囲気がよくなりました」(マルカツ武市商事(有))。

 「初めての受け入れに不安な面もありましたが、当社では、スピードより品質を重視しながら、皆で達成感を感じていく中で、ここ1年で逆に仕事の効率が上がりました」((株)リビングサプライ)。

 北海道同友会がこのほどまとめた「障害者雇用のためのハンドブック~障害者雇用事例集CASE REPORT」では、障害者の雇用で本人の成長のみならず、そのことを通して企業が発展してきている様子が生き生きと語られています。仕事の工夫をする中で業務改善につながった事例も紹介されています。

 北海道同友会札幌支部障害者問題委員会が行ったアンケート調査で、障害者雇用に踏み切れない理由の1つに、企業で働く障害者のイメージを具体的に描くことができないという企業の様子がうかがえたことから、実際に障害者の働く現場を訪問し、経営者や社員、働く障害者本人に話を聞きながらまとめたものです。

 同委員会では、「障害者の働く場を増やしていく上で、中小企業経営者の意識は決定的に重要」であり、「(1)障害を持った人のことをまず知っていただくこと、(2)就業体験の受け入れなどを通じで職場でふれあうことが大事」としています。

 巻末には、ハローワークなどの障害者雇用の相談窓口や支援制度も紹介。

 ご希望の方は、送料160円の切手を同封の上、北海道同友会まで(部数限定)。TEL011(611)3411

「中小企業家しんぶん」 2009年 5月 15日号より