わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1  その5

まずは経営者自身の自己変革を

 昨年からの急激な経営環境の変化によって、これからの市場は従来の市場に限らず、戦略は従来の経験則を超える発想が必要な状況となってきています。危機感を全社で共有し、新たな挑戦意欲をはぐくみ、新展開に臨むために、今ほど経営者のリーダーシップが求められる時はありません。

 ステップ1の「I―(3)経営者の自己変革」では、「経営者は、激しく移り変わる経営環境の変化に対応するために、日ごろから自己変革し、能力(判断力と実行力)を高めるとともに経営者としてのリーダーシップを発揮していかねばなりません。会社にかかわるすべての人の幸せを実現し、一人ひとりが尊重される社会を実現させるために、あなたは経営者としての自己研さんと経営変革に努めていますか」と、経営者自身のありようを問いかけています。

 この項目の「成熟度のレベル」は、「0」の「経営者としての自己変革の必要性を認識していない(自己研さんしていない)」から、「5」の「状態の説明経営者の企業変革のリーダーシップが発揮され、社内に成長意欲の高い社風が確立され、社内外の信頼が高い」となっています。

 経営者が戦術に翻弄されていては、場当たり的になります。経営者の役割と責任を明確にすることによって、現場の変革意欲を高め、経営者が社員の行動の手本となり、社員の成長意欲が高い社風となることが求められています。

 また、冊子の解説に、「自己変革とは、世の中の変化に対応するために従来の考え方、習慣、やり方を問い直し、自己研さんに努めること」とし、「経営者としてぜひとも避けたいことは、経営者自身は変わらず、従業員のみに変革を求めること」として、経営者が陥りやすい過ちを戒めています。

「中小企業家しんぶん」 2009年 7月 5日号より