総選挙結果について~鋤柄・中同協会長が談話を発表

憲章実現、中小企業政策充実に期待

 衆議院議員選挙が8月30日に実施され、その結果、事前の予想通り、与党が大敗、民主党が圧勝し、政権交代となりました。選挙結果について鋤柄修・中同協会長が談話を発表しました。

1票の力が政権を変える歴史的政権交代

 私は今回の総選挙にあたり事前談話として、各政党のマニフェストに関心を持ち、中小企業家として責任ある1票を行使しよう、さらには社員の皆さんにも総選挙の意義を伝え、投票に行くことを奨励して欲しいと申し上げました。(8月15日号掲載)

 選挙結果は、与党である自民・公明党の議席は激減し、野党民主党が圧勝するという結果になり政権交代となりました。これは国民の一人ひとりが判断したことで民意の反映です。私の感想は、中小企業家は従来、所属する業界、団体の意向に従うことが多いのですが、ようやく各々の意志で投票した方が多かったのではないかということです。そういう意味では、個人の1票が政権を変える力のあることを初めて知った、まさに歴史的政権交代であるといえます。

適切なリーダーシップの発揮、発言できる同友会に

 民主党のマニフェストでは、生活者に視点をおいた政策転換に重点が置かれています。そのためには国民生活に密着し、地域経済再生の原動力である中小企業政策こそ充実されなければなりません。

 雇用確保のために私たちは精一杯の努力をしていますが、我慢の限界にきている企業も少なくありません。昨年暮れの緊急対策からほぼ1年、金融面を中心にさらにきめ細かな追加政策が緊急に望まれます。抜本的には、国政における中小企業憲章の実現、自治体では中小企業振興基本条例の制定が急がれます。

 言うまでもなく、同友会は1党1派に偏しないという原則を堅持していきます。同時に今回の選挙で明らかになったように、国民の意志と行動は政治を変えることができることを再確認すべきです。それだけに私たちの行動は社会的責任を負っています。中小企業憲章草案(第1次案・会内討議資料)を中心に、国の中小企業政策はどうあるべきかを深く学び、発言、発信できる同友会になっていかねばなりません。

 地域経済の主役の1人である私たちが、優れた経営者としてあらゆる場面でリーダーシップをとっていくことの期待も高まっています。そのためにも、謙虚に自己研鑽(けんさん)に努め、同友会組織の拡大・強化にいっそう励んで参りましょう。

「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 15日号より