北海道同友会別海地区会の試み【北海道】

「医良同友(いいどうゆう)」で域の医療崩壊を食い止める

 北海道同友会南しれとこ支部別海地区会(寺井範男会長・62社)はこのほど、同友会会員や町民による医療支援組織「医良同友(いいどうゆう)」を発会し、町立病院の医師との交流を促進することになりました。

 北海道東部の酪農の町、別海町は四国の香川県ほどの面積に1万7000人の町民が暮らしています。町立病院が町民の健康を守っていますが、医師の確保と定着が課題でした。

 「地方の中小企業経営者は、従業員とその家族の健康を守ることをいつも考えています。医師が都会にばかり集中したら地方の医療は壊滅する。医師に別海の豊かな自然や人情に触れてもらい、この町に定着してほしい」と寺井会長は語っています。

 これからの事業としては、医師との食事会、釣り、狩猟、音楽会、医大の地域医療調査活動への協力などが盛込まれ、当面は100人の町民の賛同を得ることを目標にしています。

 同友会別海地区会は2007年11月に40名で発会しました。農業法人などがその後も入会し、今では会員数61社、企業組織率は25%に達しています。地区会では中小企業振興基本条例の制定運動にも力を入れ、今年の4月に条例が施行されるなど、活発に活動しています。

 「医師がいないと従業員やお客さんである町民の健康が脅かされます。医良同友(いいどうゆう)の運動は良い経営環境をつくるという同友会理念に合致する」と山口幹事長は述べています。

 医療崩壊を食い止めるために立ち上がった中小企業家の動向が町内から注目を集めています。

(北海道同友会釧根事務所事務局長・米木稔)

「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 15日号より