わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その10

[2] 経営理念を実践する過程 (3)経営計画の策定

 インターネットで「経営計画」を検索すると、871万件のページがヒットします。同友会が定式化した「経営指針」(経営理念、方針、計画)が115万件ですから、一般に経営のキーワードとして、「経営計画」の情報量は大変多いと言えます。

 同友会では、「経営理念を実践していく過程」の、社員の行動計画に落とし込める具体的な段階のものを「経営計画」として位置付けています。

 「企業変革支援プログラムステップ1」では、「経営計画(単年度)は、経営理念にもとづき、経営方針をさらに具体化する形で、来年1年間、何をするかを決めるものです。達成すべき目標を明確な課題や数値で示し、達成するための方策を行動計画として明示します」とあります。

 「(3)経営計画の策定」で、「成熟度」のレベル「0」は「経営計画策定の必要性を認識していない(策定していない)」です。

 レベル「1」では、「売上目標程度」がある状態。「2」は、計画策定の仕組みが「特定の個人や部署に依存し」ていて不十分な状態であり、「3」は「策定の仕組みがあり、全社の知恵と情報を集めて体系的に策定している」状態。「4」は、「策定の仕方、情報の活用」そのものが「定期的に見直されている」仕組みを持っている段階です。

 「5」は、「経営計画の策定・見直しが定期的になされることで、全社員のやる気や自主性が高まり、社内が活性化している」段階として、経営計画のプロセスが社員のモチベーションアップにつながっている状態を表しています。

 このレベルになると、「計画策定の手順が策定され、実態に合わせて繰り返し改善が行われている。全ての部門がこの手順書に従って計画策定を行い、また全社的に検証されている。その結果、全社員のやる気や自主性が高まり、社内が活性化している」まさに、全社一丸となった経営が行われている理想的な状態と言えます。

「中小企業家しんぶん」 2009年 10月 15日号より