誰もが働きやすい社会をめざして「障害者雇用支援フォーラム」【北海道・札幌支部】

 10月23日、北海道同友会札幌支部では、札幌市と共催して「障害者雇用支援フォーラム」を開催しました。

 今年で3回目となるこのフォーラムには、会員経営者のほか、特別支援学校、障害当事者や福祉関係者など250名が来場しました。

 当日は、東京同友会障害者委員会委員長の(株)アメディア社長・望月優氏が、「全盲社長の泣き笑い会社づくり~可能性を決めるのは君自身。一歩進めばぐんと広がる」をテーマに基調講演。同友会で学ぶことによって経営者の自覚に目覚め、財務体質を改善し、助成金がなくても利益が出る会社に成長させた経験を語ります。途中で、自社開発製品の読書機「よむべえ」のデモも行われ、スキャンされた文字が肉声に近い音声で正確に読まれる様子に、どよめきが起こりました。

 後半は、会員企業2社の雇用事例が、映像を交えながら紹介されました。ビル清掃業を手掛ける(株)シムスの斎藤社長さんと共に登壇したのは、車椅子で事務の仕事をこなす今井愛さん。身体3名、知的4名、精神1名の障害者が働く同社では、ナチュラルな形でサポートすることを心がけており、障害者も他の社員と同様に「同僚の1人」として接しているとのこと。

 続いて、豊生会総合支援センターはつらつ当別の地域在宅ケア推進室の藤倉室長さんが、知的ハンディを持つ菅原侑希君にインタビュー。清掃や高齢者の介護に挑戦している様子がいきいきと伝わり、会場が温かな笑顔でいっぱいになります。

 また、雇用までいかなくとも、ビジネス連携によるサポートを促進するため、仕事を発注したい企業と受注したい福祉事業所の出会いの場として「マッチングコーナー」を今回初めて開設しました。参加した12の福祉事業所は、それぞれのブースで障害者が心を込めて作った製品や、パソコン入力・清掃・除草などの役務について、訪れた企業関係者にアピール。

 参加した福祉事業所の関係者からは、「思ったより多くの企業の方と話ができた」「木工製品を会社の記念品にしたいとの引き合いがあった」。 企業関係者からは「商談成立に結びつけるまでには製品づくりへ工夫が必要では」など、今後に繋がっていく感想が寄せられました。

「中小企業家しんぶん」 2009年 11月 15日号より