【第24回社員教育活動全国研修・交流会】人間はなぜ学び続けるのか【岐阜】

孤立・分断から連帯で可能性を引き出す~キャリア教育の目標は社会を主体的に選ぶ力、社会から求められる力を身につけること

 第24回社員教育活動全国研修・交流会が11月19~20日、岐阜同友会の設営で開かれ、33同友会と中同協から114名が参加しました。

 冒頭、主催者を代表して本郷利武・中同協社員教育委員長が、「人間はなぜ学び続けなければならないのか」「各同友会の社員教育の課題は何か」の2つの問題意識を持って交流会に参加しているとあいさつ。開催地を代表して亀井雅之・岐阜同友会共育委員長は「この交流会が厳しい環境の突破口を開くもの」とあいさつしました。

 基調講演は、NPO法人アスクネット(愛知市民教育ネット)の教育コーディネーター、毛受(めんじょう)芳高氏が講演しました。

 毛受氏は、これまでの地域と学校等の学びの場の仲介役としてきた活動から、「キャリア教育の目標は、社会を主体的に選ぶ力、社会から求められる力を身につけること。そのためには自己効力感(自分がそれを上手にやれそうだと思う気持ち・できそうだという自信)が必要。この自己効力感の源には達成体験がある。達成体験を得るには、夢・目標・志・絆を育てることが大切」と話しました。その後、グループ討論を行いました。

 2日目は、服部製紙 (株)会長の服部豊正氏(愛媛同友会)が事例報告。服部氏は、「自然環境保全への貢献という会社の進むべき方向を社長がはっきり持ったとき社員に浸透する。界面活性剤は海を汚す、服部製紙の商品は海を汚さない。これを広めていくのは社長の使命」とし、酸化精製水、重曹電解水を使った新商品開発、社員の自主的な委員会について話しました。

 最後に、本郷委員長が「人間が分断され孤立している現在、孤立しないためにも同友会でいう連帯が必要。社員教育の大事な点は、社員の持っている可能性を引き出すこと。人が育つとは、社員だけでなく社長も育つことです。だから『共に育つ』なのです」と、まとめました。

「中小企業家しんぶん」 2009年 12月 5日号より