わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その15

 カテゴリーⅣ「市場・顧客及び自社の理解と対応状況」は、同友会が1993年の総会宣言で採択した「21世紀型中小企業」として発展するための重要な要素を含んでいます。

 「21世紀型中小企業」とは、「第1に、自社の存在意義を改めて問い直すとともに、社会的使命感に燃えて事業活動を行い、国民と地域社会からの信頼や期待に高い水準でこたえられる企業。第2に、社員の創意や自主性が十分に発揮できる社風と理念が確立され、労使が共に育ちあい、高まりあいの意欲に燃え、活力に満ちた豊かな人間集団としての企業」と定義しています。

 この「第1」の部分を以下のように分解し、4つの項目を立てています。「(1)市場・顧客の変化と潜在ニーズについて継続的調査を実施し自社の存在意義を問いなおすことで社会的使命感に燃えて事業活動を行うこと、(2)自社の強みと弱みを把握し継続的改善で地域社会からの信頼や期待に高い水準でこたえる企業となること」。

 まず、「(1)市場・顧客の変化と顧客ニーズの把握」では、市場・顧客の変化と潜在ニーズを継続的に調査し、企業が社会に果たす役割・使命を明確にすることができるとし、どのように市場・顧客の変化と潜在ニーズを調査・情報収集し共有しているかを問うています。

 「0」は、「市場・顧客の変化を把握する必要性を認識していない(把握していない)」で、「3」は、市場・顧客の変化を把握するための仕組みがあり、経営方針の策定に反映している状態を指しています。「5」は、市場や顧客の変化に対応できる経営方針が策定され、市場ニーズに柔軟に対応できる経営体質となり、対外的にも評価されている状態です。

 この厳しい経済状況の中、従来の営業のあり方を見直し、社内全体で共有する体制を確立することが大切です。あなたの会社で営業活動は戦略的に行われていますか?

「中小企業家しんぶん」 2010年 2月 5日号より