わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その16

Ⅳ 市場・顧客及び自社の理解と対応状況 (2)苦情対応や顧客との関係強化

 カテゴリーⅣの(2)「苦情対応や顧客との関係強化」は、同友会がめざす「21世紀型中小企業」となるために、自社の強みと弱みを把握し継続的改善で地域社会の信頼や期待に高い水準でこたえていくうえで、重要な項目です。

 昨年末までの1063社の調査では、上位から2番目の配点となり、比較的対応している様子がうかがわれました。

 「苦情や要望には、迅速な即時対応及び再発防止のための是正措置対応が実行され、顧客との関係を深めることが大切です。あなたの会社ではどのような対応をしていますか」として、「0」の「顧客の苦情や要望を把握する必要性を認識していない(把握していない)」から、「5」の「顧客の苦情や要望を把握、実現する仕組みができあがり、顧客との関係強化が継続的に行われ、地域や顧客からの高い信頼にこたえられる企業となって」の6段階となっています。

 顧客からの苦情や要望は「やっかいなもの」ではなく、なぜ苦情が出るのかの原因を深く掘り下げ、自社の改善・改革に結び付け、社内外に解決の方向を示すことが大切です。

 クレームはファンづくりのチャンスです。まずお詫びをし、すべての業務に優先して速やかに対応し、お客様の利益を最優先。社内では報告・連絡・相談体制をとり、責任者による対応も検討します。そのことで顧客との信頼関係を強化し、高いレベルで顧客のニーズに答えることができるようになります。

 対応が場当たり的な場合は「1」とし、対応が部分的にしかできていない場合は「2」となります。苦情や要望を把握する仕組みが全社的に実施され、再発防止措置が取られ顧客との関係強化につながっている状態が「3」となります。「4」はその仕組みが定期的に見直され、妥当性が検証されている状態です。

 あなたの会社では、苦情対応や顧客との関係強化で、どの程度仕組みが作られていますか?

「中小企業家しんぶん」 2010年 2月 15日号より