わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その17

Ⅳ 市場・顧客及び自社の理解と対応状況 (3)顧客の満足度の把握

 先月開かれた中小企業問題全国研究集会の2日目全体会では、「特別報告」として「時代が求める経営者のあり方と同友会理念にもとづく経営実践―私たちは“蓄積された経営の英知”をどう生かすか」と題して宮崎由至・中同協人を生かす経営推進協議会代表と大野栄一・中同協経営労働委員長が対談しました。

 このなかで、「企業変革支援プログラムステップ1」の1063社の回答結果をもとに、市場・顧客への理解や付加価値を高める努力が足りないことが指摘され、経営指針を実践することの大切さが強調されました。

 本項では、「顧客の満足度の把握」が社内でどのように行われているかを問うています。

 「顧客満足」の「満足」とは、「期待」を超える「結果」のこと。「だれが」「何を」を明確にし「満足」する内容を明確にしていく努力が必要です。満足が感動を呼び、ファンができ固定客が生まれます。

 成熟度のレベル「0」は「顧客の満足度を把握する必要性を認識していない(把握していない)」状態で、「5」は、「顧客の満足度を向上する仕組みができあがり、高い顧客満足によって、地域や顧客からの高い期待にこたえられる企業となっており、対外的にも評価されている」状態です。

 平準化された状態の「3」は、「顧客の満足度を把握するための仕組みがあり、顧客満足の向上に反映している」レベルで、「経営目的に沿った満足度調査の方法が体系化され標準化されている。顧客特性に合わせて、その満足度を把握するのにふさわしい仕組みが運営されている。満足度調査の結果は、全社で共有され、必要な改善が実施されている」状態を指しています。

 顧客が求める高い品質の商品(サービス)を提供しているか、あなたの会社では効果的な満足度調査が実施され、その結果に基づく見直しと実行ができていますか。

「中小企業家しんぶん」 2010年 3月 5日号より