わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その18

Ⅳ 市場・顧客及び自社の理解と対応状況 (4)自社の強み、弱みの分析と把握

 カテゴリーⅣの(4)は、「自社の強み、弱みの分析と把握」です。

 経営理念の実現をめざした経営方針や計画を立案するうえで、自社の現状分析を行い、把握する必要があります。この「企業変革支援プログラムステップ1」(以下、ステップ1)を経営者だけでなく、社員とともに実施するとともに、同業他社との比較や経営環境の変化に対応できているかどうかなど、自社の社会的存在意義をふまえて、自社の強み、弱みの把握を行うことで、強みを生かし、弱みを解決する方針を立案することが大切です。

 「ステップ1」の1063社の回答の傾向値をみると、この項目は比較的高い数値となっていますが、会内でもよく耳にするのが、「強み」の把握が意外にできていないということです。

 各企業ではあたりまえに商品やサービスが提供されているように見えますが、なぜ自社の製品やサービスが選ばれているのか、魅力や必要とされている部分、それができている理由(技術、体制)を分析し、自社の特徴として発信できている企業は多くありません。

 成熟度のレベル「0」は「自社の強み、弱みの分析・把握の必要性を認識していない(分析・把握していない)」状態。平準化されている「3」で「自社の強み、弱みの分析・把握する仕組みがあり、経営方針の策定に反映している」で、自社でその強みや弱みが共有されている状態です。

 「5」は「自社の強み、弱みを分析・把握し、経営方針に反映することで、競争力の高い企業となっている」状態で、同業他社にない自社固有の役割が認識され、自社の社会的存在意義も明確になっていて、自社分析するためのガイドは常に改善されて、弱み強みの分析結果は経営方針に反映され、それが競争力の高さにつながっている状態です。

 あなたの会社では、自社の強み、弱みを分析・把握していますか。

「中小企業家しんぶん」 2010年 3月 15日号より