わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その20

V 付加価値を高める (1)製品やサービスの企画・設計について

 いよいよこのシリーズも最終のカテゴリー「Ⅴ付加価値を高める」に入ります。「付加価値」とは、事業結果から生み出された製品やサービスの価値のことで、仕入価格より販売価格が高くなるのは、生産過程で価値が生み出され付加されているからです。

 実際には、市場や取引関係でそれが実現されない、もしくは適正でない場合もありますが、この部分を確保していかなければ、企業として雇用を守り、再生産を図ることができません。

 企業努力はもちろんのこと、付加価値を高めるためには市場のあり方、取引慣行などの経営環境を、企業努力が報われるよう、適切なものにしていくことも重要です。同友会が3つの目的(よい会社、よい経営者、よい経営環境)を掲げ、中小企業憲章制定運動を展開しているゆえんもここにあります。

 企業努力として収益を上げるためには、企業活動の中に付加価値を高める仕組みや体制が整備されていなければなりません。また、その仕組みや体制は企業内に止まらず、関連する取引先(仕入れ先、関連企業、元請け等)においてもそのような整備が求められます。(1)の「製品やサービスの企画・設計について」では、市場のニーズをとらえ、製品やサービスに反映するため、現場や顧客の声をききとる社内体制が確立しているかどうかを問うています。

 レベル「0」は「製品やサービスの企画・設計を行う手順・方法の必要性を認識していない(手順・方法はない)」で、標準化されている「3」では「製品やサービスの企画・設計を行う手順・方法があり、運営されている」状態です。「5」では「製品やサービスの企画・設計を行う手順・方法が高水準で確立・検証され、他の企業活動とも効果的に連携している」ことが望まれています。

 あなたの会社では、市場のニーズをとらえ、製品やサービスに反映する仕組みはできてますか?

「中小企業家しんぶん」 2010年 4月 15日号より