わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その21

Ⅴ 付加価値を高める (2)製品やサービスを生産・提供する仕組みと体制、その運営

 付加価値を高めるためには、安定的に製品やサービスを生み出す仕組みや体制が必要です。標準化し、定期的に見直し、組織的に対応し、改善していくことが大切です。

 厳しい時代にあって、各社では常に自社の生産体制を見直し、社員の動線を分析して無駄を省き、ロスを出さない、納期を守るなど、効率を上げながら、品質を高めるQC活動など、血のにじむような工夫がされています。

 本項では、「生産・提供体制」について問いかけています。「0」は「生産・提供体制を標準化し、組織的に対応する必要性を認識していない(対応していない)」とされています。これは、ずさんな生産と提供しか行われておらず、納期遅れなど顧客満足を低下させるような事態が多発している状態です。

 「3」は、「標準化し、組織的に対応する仕組みがあり、運営されている」状態。経営目的に沿った生産・提供体制が体系的に構築され、その状況がモニタリングされ、顧客のニーズを引き出す工夫がされている状態です。

 ここでいう「モニタリング」とは、計画や目標に対して、その達成・進捗度合いを評価する指標をもとに状況をチェックすること。このものさしが社内で明確に理解され共有されていることで、社内のベクトルが合わせやすくなります。

 「5」は「生産・提供体制が高水準で確立・検証され、関連する企業内の活動と効果的に連携している」として、生産・提供する部門責任が、専門性とスキルを有する人に割り当てられて、見直しが行われており、関連するさまざまな活動との連携も十分はかられ、業界内外で高水準にあると認められている状態。

 安定した生産の仕組みをつくり、品質を高め、さらに生産性を上げていくことは、付加価値を高める組織力を確立していくことです。

 あなたの会社には、製品やサービスを生産・提供する効果的な仕組みや体制がありますか。

「中小企業家しんぶん」 2010年 5月 5日号より