宮崎口蹄疫被害で義援金を呼びかけ【宮崎】

口蹄疫問題 被害は宮崎経済全体へ

 宮崎同友会理事会では5月20日、宮崎県に大きな影響を与えている口蹄疫問題について、会内で唯一畜産業を営む(有)尾崎畜産の尾崎宗春社長の報告を受け、義援金募集を行うなどの対応を確認、全国同友会に義援金への協力を呼びかけています。

「現場の声を聞き、事実を知ることがまず第一」と、尾崎氏には各支部の幹事会等で報告してもらい、会員一人ひとりが自分の問題として深くとらえ、動いています。

 あらゆる角度からの事実を知るにつけ、「この問題は、畜産業という一業種や口蹄疫が発生した特定地域だけの問題ではない」という認識を深め、地域の経済を支える中小企業団体の真価が問われるときとして、取り組みを強めています。

義援金受入口座

宮崎銀行赤江支店(普)89748
口座名義:宮崎県中小企業家同友会

第1次産業と商工業者が一体となった取り組みを

 4月20日、宮崎県児湯郡都農町で、翌21日には川南町で牛に口蹄疫の感染が確認されて以来、牛、豚を中心にまたたく間に感染が拡大。いまもなお、止まるところを知りません。

 県西部での発生地域となったえびの市の農場を中心に設けられていた移動・搬出制限は6月4日午前零時に解かれましたが、最初に口蹄疫が発生した児湯地域では6月7日現在、18万1753頭の感染を確認。ワクチン接種分も加えると、殺処分対象の家畜は約27万頭にのぼります。その中で処分を終えたのは約14万頭、まだ13万頭余りの処分が必要です。

 6月4日、宮崎県から示された復興スケジュール案によると、7月下旬までにすべての殺処分を終え、3週間の「清浄性確認検査」、さらに3週間かけて消毒による牛舎等の安全性を確保した後、8月中旬には農場再開という段取りです。しかしそれは、新たな感染が移動制限区域にとどまること等が前提。これから梅雨に入り、作業に遅れが出ることも予想されます。

 感染拡大による被害の影響は、商工業者にも広がっています。6月7日の宮崎同友会理事会では、都農町商工会会長でもある河野寛利氏が商工業者の現状を報告。被災農家への対策はみえてきたものの、他の業種への対策が課題であることが浮き彫りになりました。とくに感染地域では3割から8割の売上減という、これまで経験をしたことがない状況に陥っています。他の地域でも、県からの非常事態宣言以降、各地での朝市、小中学校の運動会や修学旅行、商工団体等の会合等の中止が続きました。

 宮崎経済全体が冷え込んでおり、商工業者と第1次産業者と一体になった宮崎経済再建への取り組みが必要となっています。

「中小企業家しんぶん」 2010年 6月 15日号より