環境経営でも中小企業の大きな役割に確信と誇り-「同友エコ」表彰式

経営理念に基づき全社的取り組みに

同友エコ表彰式

 昨年7月の全国総会でキックオフした「同友エコ」。環境経営とCO2削減をめざした初の取り組みに25同友会・191社の応募がありました。その結果、CO2排出量は1年間で1682トン削減(CO2削減量を算出できた企業159社の集計)され、15%以上削減している企業も23社ありました。7 月9日、全国総会2日目全体会で表彰式が行われ、会長賞、幹事長賞はじめ、総会に参加された受賞者13名に表彰状が手渡されました。表彰式での平沼・中同協地球環境委員長によるまとめを紹介します。年内には先進事例集の発行を予定。

 中同協の会長、幹事長も参加した同友エコの審査委員会で、会長賞、幹事長賞はじめ各賞の受賞企業22社が決まりました。本業の中でしっかりと環境経営に取り組み、全社あげた取り組みの中から新たな仕事づくりにつなげている企業も数多く見られました。

 審査にあたっては、初めて環境経営に挑戦するA企業部門では、経営理念と環境宣言がリンクしているか、活動内容が具体的でかつ目標が掲げてあるか、自己評価がきちんとなされているか、全社あげた取り組みとなっているかなどを評価基準としました。

「見える化」から、新たな仕事づくりも

 A企業部門の最高賞、幹事長賞に輝いた宮城同友会の(株)ヴィ・クルーは、「同友エコ」キックオフとともに社内全体で現状認識を一致させ、まず「見える化」をはかって取り組んだ結果、社員による自主的・創造的な取り組みが発展、環境分野での新たな仕事づくりも進み、売上が4割アップ。しかも CO2排出量は9%削減され、100万円もの経費削減につながりました。

 今回は「同友エコ」初年度でもあり、A企業部門では、環境への意識を高め、まず「見える化」をはかることからはじめ、次年度に期す企業もあるなど、全体として、経営理念とあわせて全社的取り組みとしていく意気込みが感じられました。

 また、すでにエコアクション21など環境マネジメントシステムを取得している先進グループであるB企業部門では、さすがに全ての企業を表彰したいほどの優れた企業ばかりでした。そのなかで、会長賞に輝いた未来工業(株)熊本事業所は、生産工程の見直しを行い、エネルギー使用における効率化を図った結果、1年間で593トンものCO2削減に成功しました。

4万社参加なら42万トン削減?

 今回は、159社で1682トンCO2削減できたので、単純計算すれば会員4万社で42万トンも削減できることになります。また、環境分野での新たな仕事づくりでは、地域における新たな雇用の創造にもつながっています。

 このように、1社1社では小さな取り組みであっても、事業所数で99・8%を占める中小企業が力を合わせれば、地球温暖化を食い止める大きな力となることを示しています。このほど閣議決定された「中小企業憲章」にもあるように、日本経済における中小企業の果たす大きな役割に確信と誇りを持って、さらに「同友エコ」の取り組みを広げていきましょう。

「中小企業家しんぶん」 2010年 8月 5日号より