【中同協第42回定時総会特集】新たな段階に入った憲章推進運動~第2分科会を振り返って

第2分科会

 総会第2分科会「中小企業憲章制定運動の中間総括と今後の展望―中小企業憲章草案を深めどう広げるか」には31同友会91名が参加。すでに6月 18日中小企業憲章が閣議決定されるという高揚した雰囲気の中で開かれました。 最初に、「7年間の中小企業憲章制定運動の成果と今後の展望」(鋤柄・中同協会長)、「中小企業憲章草案の内容を深め会内外に広げるために」(杉村・中同協憲章推進本部副本部長)の報告があり、助言者である大林・神奈川大学教授から「中小企業憲章制定運動の成果と課題」と題しての発言がありました。

 鋤柄氏は、7年間「憲章レポート」作成活動などで自社の経営課題と結びつけて考える地道な活動の積み上げを力に、「3つの目的の総合実践」として結実した、とまとめました。杉村氏は、憲章運動への参加が「自社と自分をどう変えたか」を検証することが大切とし、「ひとりで見る夢はただの夢 みんなで見る夢は現実になる」の言葉を投げかけました。大林氏は、今日から憲章推進は新たな段階に入ったことを前提に、今後の課題として、(1)産業・労働等の諸政策と憲章の推進、(2)中小企業基本法の改正、(3)中小企業振興基本条例の見直し・制定、(4)要望・提言の充実・対話、(5)中小企業憲章草案の不断の学習を提起しました。

 2日間のグループ討論では、「憲章の学習と制定運動に参加し、自分自身を含め、わが同友会はどう変わったか」「今後の憲章・条例運動をどう進めるか」が熱心に話し合われました。各同友会で取り組みの違いはあるものの現状をふまえて、決意が語られました。

 第2分科会での報告と議論をまとめると次のことが導き出されます。

 第1に、閣議決定された「中小企業憲章」を会の内外に積極的に広げ、中小企業政策の充実と新たな転換に生かすことです。

 第2に、2年がかりで会内の英知を集めて作成した同友会の「中小企業憲章草案」は、今後も憲章推進運動の理念的指針として学習し、同友会がめざす企業づくり、地域づくり、国づくりの指針として活用する。

 第3に、「中小企業憲章」を中小企業と国民全体に広げ根付かせるために、(1)「中小企業憲章」を閣議決定にとどめず国会決議をめざす、(2)首相直属の「中小企業支援会議」を設置し、省庁横断的機能を発揮して、中小企業を軸とした経済政策の戦略立案等を進めること、(3)中小企業担当大臣を設置することを要望していく。

 さらには、総会議案でまとめられた「憲章制定運動7年間の成果」にある「3つの課題と4つの柱」に基づく運動に新たな決意を持って取り組むことです。「3つの課題と4つの柱」を簡潔に表すと次のようになるでしょう。

 「3つの課題」各同友会が、(1)総会方針に憲章推進を盛り込む、(2)憲章学習を活動計画に位置付ける、(3)憲章推進担当(組織、役員)をおく。「4つの柱」(1)学習活動の具体化、(2)「中小企業振興基本条例」制定・見直し運動に着手、(3)「3つの目的の総合実践」としての認識を深め、組織強化に力点をおく、(4)自社と憲章との関わりがわかる学習活動を深める。

本分科会での議論を今後の実践に大いに生かしていきましょう。

中同協専務幹事・国吉昌晴

「中小企業家しんぶん」 2010年 8月 5日号より