地域振興で行政と連携【福島・相双地区】

工業団地への企業誘致を呼びかける

福島相双地区

 福島同友会相双地区(会員数89名、菊地逸夫地区会長)では、地域振興のため行政と連携した事業を定期的に行っています。これまで雇用創造や社員研修の講座など勉強会中心の事業が開催されてきました。相双地区の中には2市7町3村あり、相双地域全域をカバーしている経済団体の視点から、行政への提言も行っています。

 同友会では、地区内を相馬・原町・双葉という3つの地域グループに分け、各担当の自治体へ中小企業振興基本条例の策定について働きかけをはじめたところ、各地域が抱える諸問題について知ることができ、同友会が協力できる例も出てきました。

 その中で、双葉グループが双葉郡大熊町の渡辺利綱町長と地域振興懇談会を行ったところ、渡辺町長から、「大熊町では総合振興計画に基づいた各種事業を行っており、同友会とも協力して地域振興を行っていきたい」との話が出され、「中小企業にも非常に使いやすい」という大熊西工業団地への企業誘致についての相談がありました。

 大熊西工業団地は、常磐自動車道常磐富岡ICからのアクセスも良く、福島第一原子力発電所などを立地している大熊町は、企業立地支援事業の対象地域となっており、電気料金が最大80%割引されます。また、雇用状況に応じた補助金のほか、各種減税、低利の融資もあるなど、地元の会員も知らなかった全国有数の優遇措置があるとのこと。双葉グループでは、これまでのPR不足を感じ、県内外からの企業誘致を行う営業部隊となって動き出しました。「現地視察の際にも同友会会員が案内します」と話しています。

 「同友会さんは、地域振興への意識も高く、行動力のある団体。大変心強く有難い」と渡辺町長。中小企業振興基本条例づくりをきっかけに、行政と同友会の関わり合いがますます深まっています。

「中小企業家しんぶん」 2010年 10月 15日号より