自社変革の実践に「ステップ1」の活用を【愛知】

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】7

「企業変革支援プログラム・ステップ1」(以下「ステップ1」)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は同友会編として、愛知同友会での「ステップ1」活用の取り組みを紹介します。

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 愛知同友会では、昨年4月に「ステップ1」の発刊以後、1200冊以上を販売しています。

 「ステップ1」に対しての評価は当初から総じて高く、昨年から県総会やあいち経営フォーラムの分科会といった主要行事や、支部・地区での例会でもたびたび「ステップ1」が取り上げられています。

 ただ、「冊子を買っては見たが実施せずじまい」「1度診断を実施してみただけで終わる」という人が少なくない実情があり、「『ステップ1』の使い方を広める」から、「自社変革の実践に『ステップ1』を活かす」に、活動での取り上げ方をいかに進化させるかが大きな課題となりました。

 今年11月9日のフォーラムでは、「ステップ1」をテーマに行われた分科会で、参加者全員が「ステップ1」での診断を事前実施して経営課題を抽出した上で分科会当日に深めるという試みを行いました。

 フォーラムの事前に、独自の「診断・課題記入シート」エクセルファイルを配布し、「なぜその診断レベルなのか」「重要だと思った課題」をエクセルシートに入力してもらい集約。分科会本番では、集約したシートをもとに、お互いの診断結果の特徴を見ながら、経営課題に具体的に切り込む討論を実施しました。

 「ステップ1」でお互いの自社課題を「目に見える」形にして討論に臨むことで、「自社の現状を直視するのは勇気が要ったが、本当に実践すべきことが明確にできた」「やろうと思いながらできなかった指針づくりや社員との面談に踏み出すきっかけになった」などの感想が出されました。

 各社内での実践に活かすのみならず、同友会活動をより自社経営に活かす中身に進化させていく上でも、「ステップ1」活用の大きな可能性がまた1つ示されたと言えるでしょう。

 愛知同友会は、e.doyuへの参入は今年からということもあり、全国データへの登録をいかに推進するかは、e.doyuそのものの認知・普及を進めることとあわせて大きな課題になっています。現在は各支部の役員会でデータ登録の説明会を実施するなど、基本的なところから地道な普及活動を行っている段階です。

「中小企業家しんぶん」 2010年 12月 5日号より