カテゴリーごとに経営課題を体系化―グループ討論の充実に活用【大阪同友会東大阪西支部】

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】9

「企業変革支援プログラム・ステップ1」(以下「ステップ1」)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は同友会編として、大阪同友会東大阪西支部の取り組みを紹介します。

 大阪同友会東大阪西支部では、例会のグループ討論を充実するために「ステップ1」を活用しています。

 同支部では、例会の報告を参加者への問題提起と位置づけています。例会を開催するための準備の中で、今回の例会報告=問題提起を受けてグループ討論で深めるべき経営課題は何かを、各カテゴリーの項目を使いながら整理し、検討しています。そのために、「ステップ1」の各カテゴリーと「経営課題(例)」「討論の設問(例)」を体系化、一覧表にまとめたものを作成しています。

 例えば、例会報告から学ぶ事項として、第Ⅳカテゴリーの中の「市場・顧客の変化と顧客ニーズの把握」の項目が該当した場合、「ステップ1」の項目を「市場・顧客ニーズの変化をとらえるために大切なことは何でしょうか」と置き換えてグループ討論のテーマとしています。

 このことにより、例えば「マーケティングが不得意」などの状況に、各社がどう対応しているか、グループ討論を通じて学びあうことができます。

 同支部では、一昨年からこうした活用をすすめてきました。2年間の取り組みを通じて、例会のグループ長の力量が向上し、グループ討論が充実しています。グループ討論に際して、参加者の共通する経営課題は何か、解決すべき課題は何かを的確に受けとめ、討論の方向を提起する上で、「ステップ1」が指針となっています。

 毎月開催する同支部の例会委員会では、「ステップ1」を学ぶ時間を設けています。この結果、グループ長が、経営について体系的に理解を深め、「ステップ1」を自社経営にいかすとともに、グループ討論でも縦横に活用することができるようになっています。

 和泉康夫・例会委員長は、「例会は、心に響く報告=問題提起を受けて自社のあるべき姿・方向と実際の企業経営のギャップについて気づき、グループ討論を通じて、どう解決すべきかヒントを得る場」と指摘します。そして、「例会づくりが、支部づくりの大きな力となりますし、支部が地域の活性化の鍵を握っています。“地域の元気は例会から、日本の元気は例会から”です」と例会にかける思いを語っています。

 同委員長の報告は、9月に開催された大阪東ブロックのグループ長研修や全大阪経営フォーラムのグループ長研修で、共感を呼んでいます。

「中小企業家しんぶん」 2011年 1月 15日号より