企業革新を支援する例会づくり~「ステップ1」を企画・運営に生かす【兵庫】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】4

各同友会の実践事例を紹介する「変革と挑戦」シリーズ。今回は例会づくりについて、兵庫同友会の活動を紹介します。

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 今年度創立40周年を迎えた兵庫同友会では、「会員企業の生きる力」をキーワードに活動を展開しています。

 活動方針に、「企業変革支援プログラムの活用で、支部例会・ブロック会に生かして企業革新を支援する」ことを掲げ、それぞれの支部は、「企業変革支援プログラム・ステップ1」(以下「ステップ1」)のカテゴリーから、テーマや報告内容を検討。ポイントを絞った報告と討論で、経営の考え方だけでなく、具体的に何をすればいいのかに気づく場とすることを重視して例会づくりを行っています。

 阪神支部では、同友会型企業づくりを進めていく上で、「ステップ1」をもとに、学びあうポイントを明確にし、各大項目で「成熟度レベル」の高い会員に報告の依頼をしています。打ち合わせやリハーサルでも、その項目を意識した報告をしてもらい、その中で優れた部分と、話してほしい小項目を突き合わせて、そこを中心に例会報告をしてもらっています。

 グループ討論のテーマについても、学びあうポイントが明確になるので、「ステップ1」の「成熟度レベル」ならびに「状態の説明」と絡めて設定することができ、「ステップ1」を活用している会員が、討論をリードしやすくなりました。

 東播支部では、年間計画で、あらかじめカテゴリーを決めて、テーマにあった報告者を選出しています。大項目Ⅳ「市場・顧客及び自社の理解と対応状況」をテーマとした例会では、選出された報告者が予めセルフアセスメント(自己診断)し、その結果をもとに打ち合わせを行いました。

 そしてそれらに照らし合わせながら報告してもらうことによって、より具体的で、ポイントがずれない報告となりました。

 また、創立40周年記念行事として、「ステップアップ(支部合同)例会」を6回開催しています。これは、(1)同友会らしい経営とは何をどう実践することなのか、「全国レベル」の会員報告者から学びあう、(2)支部合同で取り組むことで、支部を越えた会員同士の交流の場とする、(3)例会のモデルとなり、各支部の例会のレベルアップにつなげることを目的に行っています。

 この合同例会も「ステップ1」のカテゴリーから年間で大項目を決めて、全国から報告者を選定して学びあっています。5つのカテゴリーと中小企業憲章がテーマとなっていて、支部を越えた学びの場となっています。

「中小企業家しんぶん」 2011年 1月 15日号より