社員と経営者が共に学ぶ場―同友会大学、社員共育大学、幹部社員大学が年々盛況に【岡山】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】12

 各同友会の実践事例を紹介する本シリーズ。今回は、同友会大学に取り組んで20年目を迎える岡山同友会を紹介します。

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 岡山同友会の社員教育委員会で行っている取り組みは、同友会大学、社員共育大学、幹部社員大学の3つです。

 同友会大学は今年で20年目を迎えました。21世紀を担う真の経営者・幹部として、時代を先取りする科学的大局観を養うことを第1の目的に掲げ、同友会に理解の深い東京大学名誉教授・大田堯氏、駒澤大学教授・吉田敬一氏、岡山大学元学長・千葉喬三氏など県内外の講師が、「教育と人権」「地域と経済」「環境と経済」などのテーマで年間10講座開講しています。同友会大学は理念を深めるための講座との位置づけで取り組んでいます。

 社員共育大学は、仕事とより良く生きることの関係を共に考えることを第1の目的として、人の話を聞く力や自分の意見をまとめて表現する力、グループ討議の力を養います。社員と共に必ず経営者も参加します。テーマの報告者は参加する経営者が行います。「自分が変わるということ」「目標設定と実践」「共に育つ」などのテーマで問題提起し、それをもとにグループ討議、発表を行います。例会と同じ手法です。

 毎回終了後には各社懇談を行います。1社で複数の社員が参加していても同じテーブルにはなりません。参加した社員と経営者を交えてその日のうちに、各テーブルで出された意見や自分が感じたことなどを出し合います。このことも経営者にとって社員の考え方を知る上で大変重要となっています。受講生は全講座のレポートを提出して卒業となります。

 現在、社員共育大学は第13期目を行っています。年々受講生が多くなり、1つの会場に入れなくなり、水曜日開催の青組、木曜日開催の緑組と2つに分けて行うようになりました。1組50人から60人が参加しています。

 幹部社員大学は、幹部が自社の経営理念を理解し、部下に自分の言葉で伝えることができるようになることが目的です。参加者は各社幹部1人と経営者。(有)コンサルタント朋友の奥長弘三氏(東京同友会会員)の協力のもと、3年間の試行錯誤を繰り返し、4年目で完成に近づいています。

 これまでの卒業生は、同友会大学が100名(19期)、社員共育大学が615名(12期)、幹部社員大学が39名(4期)。会員企業の経営や同友会運動を進める上で大きな力となっています。

「中小企業家しんぶん」 2011年 6月 15日号より