e.doyuなどで被災状況を共有し、励ましあいのネットワーク【福島】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】15

 各同友会の実践事例を紹介する「変革と挑戦」シリーズ。今回は、東日本大震災に際して、e.doyuの活用やニュースの発行など、情報共有化と励ましあいのネットワークづくりに積極的に取り組んできた福島同友会の実践を紹介します。

 災害時の被災地においては正確な情報が何より大切です。地震、津波、原発事故、風評被害の4重苦のなかで、復興へ向け奮闘する福島同友会では、地震当日にはe.doyuで第一報が会員企業に送信され、翌週14日からe.doyuの掲示板機能を使って、会員が双方に状況を発信・共有。即座に会員から「弊社スタッフ無事です。皆さんと無事でお会いできる日が1日も早く来る事を祈ります。何より今は、復旧するまで踏ん張って参りましょう!」などのコメントが書き込まれるなど、励ましあう環境をつくっていきました。

 これは、中越地震などの教訓から、電話がかかりにくい中、インターネットがつながりやすいという教訓を生かして取り組まれたもので、それまで一部会員のみに付与していたIDを全会員に発行し、さらに原発事故により会社を離れそれぞれがバラバラに避難せざるを得なかった会員には携帯電話のメールアドレスを登録して、同友会の仲間としての絆をつなぎ続けました。

 また、会員の被災状況の集約の過程で、会員訪問の際にe.doyuのIDや操作方法などを個々の会員に伝え利用を広げていきました。

 3月25日からはe.doyuに掲載した内容をコンパクトにA41枚ものの手書き新聞にまとめ、震災復興ニュース「さすけねぇ福島 やるべ中小企業」として発行し、ホームページにもバックナンバーを掲載しています。「社員とお客様・取引先を守りぬくことが地域を守ること」との理事長メッセージや、県内でも温度差がある中、津波と原発事故の直接被害が甚大な相双地区で奮闘する会員の様子、助成金など緊急施策情報などを伝えています。

 地区単位でも福島地区が「会員企業情報・専門家相談員状況」、いわき地区が「元気通信」を、須賀川地区は「元気を出そう! 勇気を出そう! 頑張っぺ!」とした便りを発行、地区独自の状況を共有するとともに、会員訪問先の会員が復興に向けて奮闘している様子などを紹介しています。

*10月13~14日に開催される2011全国広報・情報化交流会(中同協主催、石川同友会設営担当)の基調パネルディスカッションでは、福島同友会の村上智彦事務局主任・郡山事務所長がパネリストの1人として福島同友会の広報・情報化の取り組みを報告します。

「中小企業家しんぶん」 2011年 9月 15日号より