市町村の地域振興策を学ぶ活動が活発に【京都】

地域における中小企業の役割を考える

京都同友会では、今期方針で、「全支部で市町村の地域振興策を学ぶ場を設けて企業の役割を考えよう」「京都市内支部では各区の基本計画を知る場を設けよう」と提起しています。

 京都市では市の基本計画「はばたけ未来へ! 京プラン」を策定しています。それに基づき各区でも基本計画を策定していて、区の将来像やまちづくりの目標を共有し、まちづくりを進めています。

 京都市には11の区があり、全ての区に支部があります。京都市内にある各支部では、各区長や行政関係者を招いて、地域を知り学ぶ活動が活発になってきています。今までに4つの支部が前述の方針にそって例会を開催しました。

 まず中京支部は、5月に中京区役所区民部総務課課長・久保国男氏、同総務課・萬木善知氏を招き「中京区基本計画」について学びました。「中京区基本計画~にぎわいのある中京を目指して~中京区のこれからの“まちづくり”と、私たち市民ができること」をテーマに、仕事をし生活している中京区はどんな地域なのか、市民として企業として何が出来るのか、考える機会としました。

 東山支部は、9月に永井久美子東山区長を招き、「わが地域を知る~京都観光行政について」として、特に東山区では重要な産業である京都観光の実際と課題、これからの方向性などをお話いただきました。

 またその続編として10月の例会では、「我が地域を知り、そして考えよう」として、実際に地域でさまざまな活動をしている支部会員が報告し、地域の中での企業の役割を考える機会としました。

 右京支部は、10月に支部設立30周年事業として藤田裕之右京区長を招き、「ひとをつくる・まちをつくる・未来をつくる~中小企業家の皆様と共に考えたいこと」との記念講演を行い、支部の歴史を振り返り、未来を展望する機会としました。

 今期は右京区制80年の年で、区長より右京区基本計画「右京かがやきプラン」の説明とあわせ、地域の抱える課題、そこでの中小企業への期待などをお話いただきました。

 伏見支部も10月に「伏見の歴史と行政~地域を豊かにする経営の視点とは」として、水口重忠伏見区長と支部会員が対談を行いました。歴史ある伏見の特性と伏見区基本計画を取り入れることによって、「地域を豊かにしていく経済力のある企業」を目指した経営の視点をつかもうとの主旨で企画されました。対談では、行政と中小企業との連携への期待、グループ討論では、地元商店街や地域の活性化への具体策などが話されました。

 1口に京都市といっても、区単位でみればそれぞれに特徴があります。これらの例会は、より区ごとの地域の特徴をふまえた学びとなっています。自分たちが事業を営み、生活をしている「わが地域」をどう活性化していくのか話しあうことで、地域における中小企業の役割、地域・社会を支える企業づくりへの認識を深める機会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 11月 15日号より