【全体のまとめ】広報・情報化が「背骨」となり、より良い社会づくりを~中同協広報委員長 加藤昌之氏

 今回の交流会では「絆」をキーワードにしています。同友会では阪神大震災で大変な経験をしました。その学びからわれわれの運動や理念が間違っていなかったことを確信しました。それから着実に今を歩んでいますが、そこには「世間が大変な時期にこそ同友会の活動が役立った」ということがあります。今回再び大震災を経て、われわれの運動や行動が地域に与えた影響、社会に与えた影響がどれほどのものか。仲間や地域との「絆」ということをもう一度再認識させられる出来事ではなかったでしょうか。

 また、テーマである「原点に立ち返り、人の手と心で伝える情報発進」、これはまさに同友会理念、われわれの考えていることを「真心をもって伝える」ということです。現実には会員が減っている同友会もあります。そこで、「本当に伝わっているのだろうか」ということを、もう一度確認する必要があるのではないかと思います。

 われわれは広報・情報化の専門委員会であり、役割や使命を持っています。広報・情報化の本質は人間で例えるならば「背骨」。役員会などで考えたことを、どうやって一般の会員にまで正しく伝えるのか、会員の感じていることをどう吸い上げるのか。また、地域にどのように関わりを持ち、どのようにつながるか、そして社会を動かすか。この背骨がしっかりしていないと、効果的に組織が動かないのではないでしょうか。

 一方、ここを強化していけば仲間も増えます。ですから、皆さんにはもう一度「仲間」をイメージしていただきたい。今の仲間、これから増える仲間、一人ひとりの顔をイメージしていけば、おのずとやらなければいけないことが決まってくるのではないかと思います。

 同友会が目指す「企業づくり」「人づくり」「地域づくり」によって住みやすい日本の社会をつくっていく。この大きな役割の1つを担うことが、われわれの広報・情報化という「背骨」を預かっている部門のミッションだと思っています。2日間語られたいろいろな報告、手法、仕組みづくり、それらを各地に持ち帰り、今一度議論の輪を広げ「絆」を固めましょう。

「中小企業家しんぶん」 2011年 11月 15日号より