中小企業のがんばりが日本の未来を変える~増子勉 福島同友会専務理事 立正大学で特別講義

 1月21日、福島同友会専務理事の増子勉氏(福島カラー印刷(株)社長)が、立正大学(山崎和海学長、東京同友会会員)において、「震災復興における中小企業の役割と意義」のテーマで講演しました。経営学部の中小企業論(吉田健太郎講師)の特別講義として行われたもので、当日は約80名の学生が参加しました。

 冒頭、吉田氏より「1年間の講義を通して伝えたかったのは、地域経済の牽引役としての中小企業の重要性。そして経済面だけではなく、社会的存在意義があるということ。その最も象徴的な現れが、震災において中小企業が果たした役割だった。今日は現地の生の話から学んでもらいたい」と趣旨の説明がありました。

 増子氏は、「今回の震災での全国からの支援はすごかった。感謝の言葉をどう言っていいかわからないほど。また、それがなかったらどうなっていたかわからないくらい、大変な震災だった」と述べたあと、震災当日の模様や、東京電力福島第一原発の爆発事故後の県内の状況、自社や福島同友会、そして県内の会員企業の対応などを約1時間にわたって講義しました。

 「日本の民間企業の雇用の8割は中小企業が担っている。私たちが社員を守り、雇用を維持することをあきらめたら、地域社会は破綻する。私も真っ先に社員のことを考え、行動した」「震災前より人と人との関係が近くなった。家族や社員、お客様との関係が近くなっている」など、自らの体験も交えながらのリアルな話に、熱心に耳を傾ける学生の姿が多く見られました。

 参加した学生からは「震災という大変なことにあった中で、経営者として社員を守るため、その事業を続けていくために、根気づよくがんばっていらっしゃるのは非常に衝撃を受けました」「お話を聞いて泣きそうになった」「中小企業は復興の大きな鍵になると思うので、その存在は大切だと思う」「中小企業ががんばることで、日本の未来は変わっていくのではないだろうか」などの感想が多数寄せられました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 2月 5日号より