入会時と現在の自社を比較~学びと実践の点検を~(株)ヒロハマ 代表取締役会長 広浜 泰久氏 (中同協幹事長)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】21

 企業変革支援プログラムステップ1(以下、ステップ1)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は(株)ヒロハマ代表取締役会長の広浜泰久氏(中同協幹事長)にステップ1の活用法について聞きました。

 昨年10月、愛媛同友会の松山3支部合同例会で経営体験を報告する機会がありました。それは、ステップ1の各カテゴリーの項目に沿って報告するという形でした。私は、ステップ1が3年前に発行されてから、毎年1回「経営成熟度レベル」を自己診断していたのですが、入会当時(1990年)の会社を振り返って、その診断もしてみました。

 ステップ1の各項目は、同友会で大切にしていることのエッセンスを整理したものです。同友会で勉強して実践していれば、「経営成熟度レベル」は良くなっていくはずです。逆に良くなっていないとしたら、学びと実践がおかしいのではないかとチェックできるわけです。

 幸い、私は全体的に良くなっていました。入会した22年前の「経営成熟度レベル」の評価(0~5までの6段階評価)は、22項目中1が5つ、2が6つ、残りは3で、4以上の評価はありませんでした。

 現在は、2が1つだけで、あとは4と5の評価です。入会時と比べて、評価が1から5にあがったものも、3つありました。「企業の社会的役割と責任の自覚」「経営方針と経営計画の実行と評価」「市場・顧客の変化と顧客ニーズの把握」です。

 私は同友会で学んだことは全て会社で実践しようと取り組んできました。ステップ1に書かれてある項目は、基本的には全て自社の経営指針に以前から盛り込み、何年かかけて取り組んできました。入会時と現在の「経営成熟度レベル」を比較することで、同友会での学びと実践が、着実に成果に結びついていると改めて確認することができました。

 支部などで役員の皆さんが自分の入会時と現在の「経営成熟度レベル」を比べてみると、自分の学びと実践を振り返る機会になるとともに、支部の「学び合い」の状況を体系的に点検する機会にもなるのではないかと思います。

 また経営指針を作成する際は、ステップ1の各項目が全て盛り込まれているかどうかもチェックすると、より良い経営指針づくりにつながると思います。

 先日は、当社の各事業所のトップにもステップ1による「経営成熟度レベル」の診断をしてもらい、それぞれ違いがあることがわかりました。当社は労働組合があるのですが、今後は労働組合にも診断をしてもらい、さらなる改善点のあぶり出しなどにつなげていければと考えています。

「中小企業家しんぶん」 2012年 2月 15日号より