ステップ1を中心にPDCAサイクルを―法友建設(株) 専務 佐藤 貞一氏(大分)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】22

 企業変革支援プログラムステップ1(以下、ステップ1)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は法友建設(株)・佐藤貞一専務(大分)の実践を紹介します。

 佐藤専務は2003年法友建設(株)に入社。旧態依然とした建設業界の体質に疑問を感じ、夢を持てる会社にしたいと考えていました。

 2009年6月に初めて社員6名とステップ1を使って自社分析を実施。その結果、市場顧客の変化、顧客満足度の把握ができていないことがわかりました。そこでお客様の顔が見えるように、お盆と年末には幹部全員であいさつに行き、直接要望を聞く取り組みを始めました。

 また、会社内の仕組み、体制ができていないことがわかり、工務、設計、工事、経理など部門分けの明確化を行いました。さらに給料、経理ソフト、月次工事管理ソフトを導入し間接部門の強化を図りました。新規事業への取り組みができていないとわかれば介護用品部門を新設するなど積極的に課題の改善を行いました。

 しかし3年目に分析した時には評価が下がっている項目がありました。

 その理由を佐藤専務は「社員数が増えたため」と考えます。会社の成長にともない、当初9名だった社員が26名になり、理念が全員に行きとどかなくなっていました。そこで職長会議と部門長会議を行い全社一丸体制の再構築を行っています。

 同友会活動と会社経営の総括表を作成。そこには売上高や社員数が年表形式で記載されており、同友会の学びと自社の変化がすぐにわかるようになっています。さらに表にはステップ1の項目番号が落とし込まれており、常にチェックできるようになっています。また、経営計画会議には必ずステップ1の冊子を持参し活用しています。

 自社の経営課題を見つけだして改善し、検証する。そしてあらたな課題を見つけだす。ステップ1を中心にPDCAサイクルを回しています。

 「我も楽しく、人も楽しく、皆楽しく」。そんな会社を目指して常にステップ1を手元に置き活用している佐藤専務です。

「中小企業家しんぶん」 2012年 3月 5日号より