同友会としての発信力強化にむけて 宮城同友会広報情報化委員長 阿部 明雄氏

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】17

 各同友会の実践事例を紹介する本シリーズ。今回は、2月17日に行われた中同協広報委員会での阿部明雄宮城同友会広報情報化委員長((株)ティーティーシー 代表取締役)の報告から、宮城同友会の広報活動の取り組みを紹介します。

宮城同友会広報情報化委員長 阿部 明雄氏((株)ティーティーシー代表取締役)

 震災から1年が経過しました。全国の皆さまからは、たくさんのご支援、あたたかい声などをいただき、誠にありがとうございました。宮城同友会では5名の会員の方が亡くなり、会員の約4割が、全壊・半壊など建物の被害に遭いました。全国からはすぐに支援物資が届き、被災地の方たちもあまりの早さに驚いていました。事務局も献身的に物資を被災地に届けてくれました。

 事務局が一生懸命に必要な情報を収集し、復興ニュースとして会員に発信してくれました。またとにかく人が集まる環境をつくろうと、例会などを開催してきました。

 私は一昨年の中同協広報委員会に参加し、広報情報化の役割は宮城同友会でもますます重要になると学び、昨年より広報情報化委員長を引き受けました。宮城同友会の機関紙は、それまで事務局が一生懸命つくってくれていたのですが、震災で発行できなくなってしまいました。

 とにかく再開しようと、仙台市を中心に委員を選出してもらい、7月にリニューアルした「DO YOUみやぎ」を発行することができました。みんなに必要な情報を届け、元気が出るものをめざそう、震災に負けずにがんばっている仲間の姿を伝えようと、委員が喧(けん)々(けん)諤(がく)々(がく)議論をしながら編集しました。

 全国からのあたたかい支援に宮城同友会としてどう応えるのかが議論になりました。そして宮城同友会が活性化すること、その証は会勢が増えることだという結論になりました。ただ知り合いに声をかけて会員を増やすというだけでは、閉塞感がありました。そこで会外に発信して、同友会のことを知ってもらおうと考え、会外向け広報誌「すまいるみやぎ」を創刊しました。紙面構成は、大阪同友会の了解を得て、「輝く大阪」を参考にさせてもらいました。会外向けということで、文章の1つひとつをわかりやすいものに練り上げ、写真の使い方も研究してつくりました。

 宮城県でも復興計画がつくられていますが、地域や中小企業の本当の要望が伝わっているか、本当に有効なものかは疑問です。ただ、下を向いていても仕方がないので、上を向いて頑張っていこう。それが皆さんの支援に応えることになると考えています。

 「DO YOUみやぎ」の表紙のテーマ「復興へ」を4月からは「未来へ元気発進」にしようと議論しています。経営指針をつくり、社員と共に実践し、強靭な企業をつくっていくことを重点にしようということです。広報情報化委員会も県同友会の考え方・方針に沿って、戦略的に機能できる委員会をめざしてがんばっていきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2012年 5月 15日号より