北総支部(千葉)

地元の中小企業が主役の街づくりを

 昨年9月より印西市と近辺の地域を巻き込こみ、県内17番目の支部設立にむけて活動してきた北総支部設立準備委員会が、30名の会員を擁して、4月21日に設立総会を迎えました。当日は総勢85名を越える参加者で盛大に行われました。

 千葉同友会では第7次中期ビジョンの中で「2015年度までに県内事業所数の3%の史上最高の会勢をめざす」ことを目標に掲げました。その一環で、昨年より複数の新支部設立を計画し進めています。今回の北総支部は、3月の佐倉新支部設立に続いての立ち上げとなりました。

 印西市は、都心と成田国際空港を結ぶ鉄道・北総線が通り、都心などのベットタウンとしてニュータウンと大型店の開発が進められています。市内には、土木、建築関係の企業が多く存在しますが、そういった開発や整備の仕事が地元企業ではなく、他県の業者に発注されることも多々あると地元の人は話します。新支部設立にむけて数回行われた準備例会の意見交換の中で、「市内の仕事は地元の企業に任せることで、地元企業が活性化し、雇用を担うことができる。結果的に地域内でお金が回り、地域活性化につながることを行政はもっと意識していただきたい。そういった振興条例を制定したい」という意見が出されました。

 記念講演では、「企業再生と地域再生は不離一体~生き残りをかけたローカル線のブランド化戦略とは?!」と題して、いすみ鉄道(株)の鳥塚亮社長を迎え行われました。

 いすみ鉄道は、千葉県房総半島のいすみ市・大多喜町を走るローカル線です。しかし、過疎化が進む地域にあって、鉄道事業を継続していくことは容易ではなく、そんな中千葉県の公募で代表に就任した鳥塚氏は、既存の鉄道事業の枠にとらわれない発想で、地域を巻き込んだローカル線のブランド化で再生を進めています。そういった取り組みは、これから自社と地域の活性化に向けて活動を進める北総支部の方向性を示すものになりました。

 その後、行われた祝賀パーティーでは、印西市長を始め地域の首長から期待の言葉が寄せられ、次に予定されている八街(やちまた)新支部の立ち上げに弾みをつける設立総会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 5月 15日号より