“ふるさと気仙沼”を輝かせる中小企業

千葉商科大学主催で清水氏(宮城同友会)講演

 6月8日、千葉商科大学主催による「CUC中小企業マネジメントスクール」が開催されました。同スクールは千葉同友会との提携により、1997年から開講しているもので、今年で16年目。今年度は「危機の時代に生き残る中小企業経営」をテーマとしており、この日は(株)8葉水産代表取締役の清水敏也氏(宮城同友会気仙沼支部長)が講演を行いました。

 (株)八葉水産は宮城県気仙沼市でイカの塩辛、もずく、めかぶを中心とした水産加工業を営んでおり、清水社長は2代目。3・11の東日本大震災では6つあった工場の製造施設が全て被災。被災額は約10億円以上に及びました。絶望の中でも清水社長は「1年間で絶対に工場を再開する」と決断をしました(現在では3工場が再開)。

 しかし、一番大変だったことは「絶対に会社を復旧する」という強い意志を持ち続けることでした。そんな時、一番の支えとなったのが震災翌日から瓦礫の片づけをしてくれた社員の姿でした。社員と苦しい“時”を一緒にすごした分、“志”も共有することができ、また頑張ろうという意欲が湧いてきたとのこと。工場の復旧後、はじめて製品の試食を社員とした時に「うまい」という歓声があがりました。そして今まで以上に商品をつくることへの喜びを感じたと語りました。

 最後の質疑応答で千葉商科大学の学生が、「清水社長が頑張れる原動力は何ですか?」と質問。清水社長は「仲間と一緒に仕事ができること。そして“ふるさと気仙沼”を想(おも)う気持ちです」と熱く語り、会場からは拍手がおきました。社員と共に、地域と自社の“真の復興”へ一歩ずつ前進している報告でした。

(清水氏は7月12~13日に行われる中同協第44回定時総会第14分科会の報告者のひとりです。)

「中小企業家しんぶん」 2012年 6月 25日号より