中小企業と地域の魅力語る~産官学が連携―就職ガイダンスに410名【宮城】

 今春卒業の大学生などの就職率は93・6%(文部科学省発表)と昨春に比べれば若干改善したものの、依然として厳しい状況が続いています。そのような中、今年度は22同友会で「新卒採用で企業と地域の活性化を」と合同企業説明会などが行われています。5月25日には宮城同友会が「就職ガイダンス~業種・業界・働くことを考えよう~」を仙台市で開催。42社の企業と大学・短大・専門学校・高校などから約410名の学生・生徒が参加し、中小企業や地域の魅力、それぞれの夢を語りあいました。

 宮城同友会の就職ガイダンスは、採用を前提とした合同企業説明会と違い、地元の中小企業を通じて業種や業界を知り、仕事や働くことについて考えることが目的で今年が4年目。仙台市の外郭団体である仙台市産業振興事業団が共催し、各学校からも教師が多数同行するなど、産官学が連携して地域の若者を育て、地域の復興・活性化をめざす取り組みとなっています。

 冒頭、宮城同友会の小岩克弘共同求人委員長が「私たちのくらしを支えるさまざまな業種・業界」と題して報告。続いて全参加企業が1分ずつ自社や自業界の特色などのアピールを行いました。

 希望する各企業のブースに分かれての面談では、それぞれの業界・企業の社会的役割や特徴、やりがいなどについて経営者・社員が熱く語ります。学生・生徒も熱心に話に聞き入り、和やかな雰囲気の中、質問なども活発に交わされていました。

 当日参加していた県内の高校の教師は「生の現場の話が聞けるので、非常にいい機会。当校では就職活動のスタートに位置づけており、参加した生徒のモチベーションもこれを機にあがっていきます」とその意義を語ります。参加した学生・生徒からも「不安だったが希望が見えてきた」「中小企業は地域を大切にしていて共感がもてた」などの感想が聞かれました。

 企業にとっても自社の社会的役割や働きがいなどを改めて見直す機会となっています。宮城同友会はさらに参加企業の輪を広げながら、合同企業説明会を開催していく予定です。

「中小企業家しんぶん」 2012年 6月 25日号より