事業家として高い志もち農業の展望開こう【東北食と農の見学交流会in山形】

 6月28~29日、第3回となる「東北食と農の見学交流会」(山形同友会食・農部会主催)が、山形県で開催され、東北6県をはじめ愛知、香川の農業関連の会員など50名が参加しました。

 “日本の食糧基地である東北の食と農を考えることが地域と日本を変える”という大きな志で始まった本交流会は、東日本大震災の影響から1年延期しての開催となりました。

 1日目は、(株)アイ・タックル(水沢正志社長、山形同友会会員)のアグリ事業部として誕生した「とまとの森」を訪問。モーツァルトの曲が流れるハウスで、天然有機肥料を使い、農薬を極力使わない方法で、安心・安全で糖度の高い完熟トマトを栽培している様子を見学しました。

 王将観光果樹園(矢萩美智社長、山形同友会会員)では、今が最盛期のさくらんぼ狩りを体験。(株)六歌仙では、松岡茂和社長(山形同友会会員)より蔵人の感性を注ぎ込み、山形にこだわった酒づくりをしているとの報告を聞き、工場を見学しました。

 2日目は、「在来作物は生きた文化財」と語る渡辺智史監督の話を交え、山形県で在来作物とその種を守る人々のドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」を鑑賞。

 グループ討論後、まとめに立った水沢座長は「われわれは事業家として農業を捉え、継承しなければならない。どう付加価値を付け、新しい価値を創造するか。経営指針を作成し、何のための事業かを追求し、その上で連帯すれば農業の展望が開けるのではないか。希望を持って農業を捉えよう」と、力強く述べました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 7月 15日号より