次代の福祉を担う人材づくりを~ユニバーサル委員会が連続研修会【滋賀】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】21

 滋賀同友会ユニバーサル委員会では、2012年度の活動スローガンに、「人間尊重経営の発信と実践 ~ 就労困難者・障がい者が地域で共に働き・暮らすことが出来るあたりまえの地域経済・社会の実現をめざして ~」を掲げています。

 「支援の軸を定めるための連続研修会」は、会員の5%(35名)を占める福祉業界の次代を担う人材(以下、「受講生」)を対象に、滋賀同友会経営労働委員会の「経営指針成文化セミナー(経営指針を創(つく)る会)」をモデルに、6月4日のオリエンテーションセミナーを皮切りに、9月7日まで全8講を通して福祉サービスを利用する人に対する「支援の目的」を明確にするとともに、福祉業界の社会的地位の向上を目的に開講するものです。

 各講では、受講生個々の課題シートをもとに講師団とのやりとりで「気づき」を得、次につなげることを大切にしています。

 第1講では、「本当の心の底の自分の思いが何だったのかに気づかされた」というように、「日頃何気なくこなしている業務は作業であり、自分がどう生きたいかを見出し、仕事を通して表現できるようにしていきたい」という感想が寄せられました。それは、日頃福祉サービスの利用者に対し、「支援(ないしは援助)が目的」となっていたことで、支援は、その先にあるものに至るための「手段」であり「目的」でなかったことに気づいたからです。

 また、他の受講生からは「自分の中にあった『支援とは?』という課題について、皆で共有できる時間を持つことができてよかった。単純に「支援」といっても自分自身の考えや施設の考えによって方向性が変わってくるので、研修の中でそれを見極めたい」という感想が寄せられています。

 ユニバーサル委員会では、受講生が研修会を通して今1度自分自身を見直し、自らの支援を見直し、これからの福祉施設を担う人材として、よりよい支援を問い続ける中で「幸せの見える共生社会の実現」に結びつく主体者となることを願っています。

「中小企業家しんぶん」 2012年 8月 5日号より