Ⅲ 人を生かす経営の実践 (1)社員の自主性の発揮

【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】12

人を生かす経営

 同友会のめざす経営は、「人を生かす経営」と言われています。それは、社員がいきいきと目標を持って自主的に働くこと、そして働く中で成長することです。そこでは、経営者と社員は信頼関係で結ばれ、互いにあてにしあてにされる関係といえます。

 そのためには、社員を人として捉えて単なる資源とは考えないことです。雇用関係は、あくまでも契約に基づく社会関係です。「労使間での対立が起こることはやむを得ないこと」と考えることからスタートすれば、感情の下で悩んだり、対立が深まることは避けられます。

自主性の発揮

 対等な雇用関係のもとで、やる気に満ちた社員は自ずと積極的になります。ひとりひとりの社員が、高いモチベーションを持ち、自分の働く意欲を高め、自発的に考えて行動します。それは指示待ち社員ではなく、自分で考え行動する社員です。経営者は安心して仕事を任せることができます。社員を「信頼できるパートナー」として考えられる瞬間ではないでしょうか。私たちの会社で、ひとりでも多くの社員が自主性を発揮できる経営を実現したいものです。

自社で実践のために企業変革支援プログラムを活用しよう

 社員をパートナーとして信頼して経営をするために「経営指針」を共に更新しての経営を継続して行く中で、常に自社の状態が気になります。そんな時には企業変革支援プログラムステップ1が自己診断を助けてくれます。

 診断結果を社員と共に深めて、再び経営指針作成に反映させることが経営のPDCAサイクルになります。このサイクルを継続的に繰り返すなら必ず会社は発展すると思います。

 しかし、すべての課題が自然に解決するには長い期間の継続が必要です。これは、私たちにとり必要ではありますが、できるならもっと早く成果を出したいと思います。

 そんなとき、企業変革支援プログラムステップ2を活用しましょう。社員が自主性を発揮できるような雰囲気をつくるために、何をしたら良いのかと迷った時にステップ2を見れば、「社員同士の意見交換の場」といった具体的にできそうなことが目に入ります。合わせて、「権限の委譲」をして自主判断を行動に移す仕組みが必要なことや、「評価の仕組み」について意識することに気付きます。

 ステップ2はステップ1の診断で気づいた点に、自社での取り組みへの具体的な実践をする時のヒントがたくさん載っています。活用しましょう。

(株)サンテック 代表取締役 青木義彦(愛知)
中同協企業変革支援プログラム検討プロジェクト委員

「中小企業家しんぶん」 2012年 11月 15日号より