「つかえる経営指針書づくり」同友会型ビジョナリーカンパニーをめざして

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】24

 兵庫同友会では、経営指針づくり勉強会を年2回開催しています。テーマは、「つかえる経営指針書づくり」です。

 今期は兵庫同友会の重点課題の一番目に、委員会活動の充実を掲げました。どんな環境下でも雇用を守る強靭な企業づくりを推し進める三位一体(経営指針の確立・人材育成・人材の確保)の活動を強化して、黒字企業を増やし、「同友会型ビジョナリーカンパニー」をめざしています。

 経営指針づくり勉強会では、経営指針の基本を学びあうなかから経営指針書を作りあげる「入門勉強会」と作った経営指針書を社内で運用・実践できるように総仕上げをする「成文化セミナー」の2つの勉強会がセットになっています。

 経営指針入門勉強会では、2週間に1回程度行う半日の勉強会を4回開催し、経営指針書を作り上げます。

 第1回は、企業変革支援プログラムステップ1で自社の立ち位置と課題を明確にし、労使見解から経営姿勢の確立を学びます。第2回は、同友会らしい経営理念の確立です。第3回は、外部環境分析と自社事業分析を行い、基本方針を策定します。第4回は、利益計画と行動計画づくりです。

 そして、2泊3日の経営指針成文化セミナーで、講義や事例発表、グループ討論を通じて、社内で発表し活用できる「つかえる指針書」にブラッシュアップします。

 12月から始まる後期の経営指針づくり勉強会は、第45期となりました。数年前までの作ることが目標だった成文化セミナーは、今では経営指針運動として兵庫同友会全体の活動の根幹に位置づけられています。成文化した経営労働委員が「ケイロー(経労)さん」となって、勉強会に積極的に参加して、真剣に学びあうスタイルが定着しています。前期の勉強会では、47名の参加者に対し、36名のケイローさんが共に学びあいました。また、各回に参加できなかった人を対象に、フォローの会をケイローさんが中心となって開催し、勉強会をリタイヤする人がないように取り組んでいます。

 そして、終了後には、修了研修や支部のブロック会や支部運営委員会などの機会を活用して、全員が社内発表のプレ発表会を行うようにして、社内実践を進めています。

兵庫同友会 事務局次長 仲村和也

「中小企業家しんぶん」 2012年 12月 5日号より