【第3回人を生かす経営全国交流会IN愛知】4委員長行動提起

「企業変革支援プログラム」の活用を

中同協経営労働委員長 大野 栄一氏

 私からは3つの行動提起をしたいと思います。

 1つ目は、「労使見解」(中小企業における労使関係の見解)を社内に展開していただきたいということです。経営指針の中に労働環境の整備を計画的に盛り込み、人を生かすとはどういうことなのかを具体的に位置付けて継続的に取り組んでいただきたい。

 2つ目は、「企業変革支援プログラム」の経営者と社員による活用です。経営者と社員の理解のずれが分かり、しっかりと議論し合うことでそのずれを修正していってほしい。また、ステップ2は仕組みが無いと記入できません。ただどのような仕組みを作れるのかという気づきがあります。ぜひ活用してほしい。それから、ステップ1に関しては、経営指針成文化セミナーに位置付けて活用しましょう。

 3つ目は、11・12月は「企業変革支援プログラム」のe.doyu登録強化月間です。ぜひ各地で取り組み、会員数の10%の登録数をめざしてほしいと思っています。

同友会はオアシスであれ

中同協社員教育委員長 本郷 利武氏

 植田先生がおっしゃっていたように「教育とは何か」がいま問われています。「教育」が問われているということは、同友会が追求してきた共に育つ「共育」がますます輝きを増すということです。

 行動提起ですが、1つは同友会はオアシスであれ。オアシスはともすれば慰めの場ではないかと誤解されがちですが、そうではありません。知恵の水が湧くところ、工夫の樹木が生い茂るところ、そういうオアシスにしていただきたい。

 2つ目は、ある課題に対して、「自分はこう思うんだけど、あなたはどう思う?」という問いかけの輪を広めていっていただきたい。

 最後に、『新・共に育つ』をぜひお求めいただき、大いに学び、本書を各同友会で広げていってほしい。それを切に願いまして私の報告にいたします。

新卒採用で若者に明るい未来を示す

中同協共同求人委員長 小暮 恭一氏

 今の若者の就職は、就職も進学もしない学生が15%を超えるという危機的状況です。人間尊重をうたう同友会としてこのような異常事態を本当に今までのままでいいのかと疑問を感じなければいけません。

 私は新卒採用こそ最大の社会貢献であると言い続けてきました。若者を採用し人材として育てていくことが私たちの責任であり、義務です。会社の根幹をなす人の幼き姿が学生であるとするならば、会社は他人事として放っておくことはできません。

 企業が若者の社会参加とその活力を企業内で生かしていくことで、若者が明るい未来を感じ取れる。そのような未来を示せるよう、ぜひ私たちは共同求人参加企業を増やしていきたい。そして、中小企業の良さを多くの人に伝えたい。

 みなさんとともにこの共同求人参加企業を広め、企業の発展・地域の発展・国の発展へと繋げていく。この志を持ちながらみなさんと一緒に進めていきたいと思います。

障害者問題に関心を持ち、職場実習の取り組みから実践を

中同協障害者問題委員長 内田 五郎氏

 全国に各種経営者団体がありますが、障害者をとりまく問題を真っ向から考えている団体は同友会しかありません。障害者雇用は人を生かす経営の本質をなすものです。ぜひ実践をお願いしたいと思います。

 行動提起ですが、まずはハンディキャップを持つ人のために企業での見学会、職場実習を受け入れて進めてほしいです。これはお互いに非常に理解を深める実践行動だと思います。

 第2に障害者問題に関心を持ち、行政・特別支援学校・福祉施設などと連携を深めてほしいです。

 最後に、ハンディキャップを持つ人と健常者が共に生きる、共に働ける社会を創っていかなければなりません。その世界は目の前に広がっています。迫っています。どうか全国の同友会のみなさまには共に「生きる、学ぶ、働く」の実践をしていただきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2012年 12月 15日号より