2013年の予測データから

 2013年の経済見通しを各機関のデータでみると、欧米の経済不安から全機関で成長率を夏に比べ引き下げています。10月時点ですでにIMFは「世界経済は引き続き回復基調にあるものの、回復力は弱まっている」と指摘。7月時点の予測から下方修正し、世界は3.6%、日本1.2%、米国2.1%、ユーロ圏0.2%。中国8.2%、ブラジル4.0%、インド6.0%と予測しています(表1)。

 OECD経済見通しでは、日米欧の全ての2013年の成長率を下方修正し、日本0.7%、米国2.0%、欧州▲0.1%に引き下げました。中国は8.5%と予測。ブラジル、インド、インドネシア、ロシア、南アフリカ共和国でも今後GDPの拡大を予測しています。

 内閣府「世界経済の潮流」では、中国経済に安定化の兆しがある一方、尖閣諸島問題で海外からの投資が鈍るリスクに注意が必要と指摘。2013年中国の成長率を8%台前半、世界は2%台後半から3%の間と見ています。アジア開発銀行の2013年見通しは米国2.1%、日本1.6%、中国8.1%、アジア6.6%、インド6.5%と予想しています。

 日本の民間機関26社の予想の平均では、2013年の成長率は実質1.3%、名目0.9%と見込まれています(表2)。1.6から0.7という世界の各機関の予想からもほぼこの見込みが妥当であると思われます。しかし、消費税増税前の住宅駆け込みが5.2%増92万戸と予想され、震災復興需要も見込まれる建設業の一部を除けば、「マイナスにはならないがほぼゼロ成長」が今年も一番素直な見方と言えるのではないでしょうか。

「中小企業家しんぶん」 2012年 12月 25日号より