「食と農」のネットワークを広げよう【北海道】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】25

農業会員は300名

 昨年8月、釧路市から北東へ50キロに位置する標茶(しべちゃ)町に同友会の地区会が誕生しました。人口8800人の町で会員は27名。半数は酪農を中心とした農業生産者です。例会も搾乳の時間を外すなど、運営にも特色があります。

 北海道では農村や農業生産者にも同友会の輪が広がり、全道会員5591名中、農林業の会員は312名。うち農協も11単協が会員です。

 農業関連部会は、1989年に帯広支部(現・とかち支部)にできた農業経営部会が始まりです。背景には、GATTウルグアイラウンドの牛肉・オレンジ自由化問題に対する地域全体の危機感がありました。

 「農業者が中小企業経営者と学び、“農業経営者”として自立した経営を行う」ことをめざし、「農商工連携」による学びあいを進め、収穫感謝祭などを通じて、都市と農村の交流や消費者に農業を伝える活動を行ってきました。

 農業関連部会は、畑作・酪農のとかちから、水田の旭川、都市近郊型農業の札幌、果樹栽培のしりべし小樽など7つの支部へと広がり、農業以外の方を含め、部会メンバーは全道で441人を数えます。

全国の仲間と新しいネットワークを

 近年は「農商工連携による新商品・技術・サービス開発、新市場開拓」や「農業の6次産業化」への関心も高くなっており、飲食業や食品小売業などと連携し産地直送などを進めるための商談会・展示会や、海外への輸出を模索する海外販路開拓事業などにも取り組んでいます。

 地域の枠を超えたネットワークを構築し、互いに連携することで新たな仕事づくりの機会創出につなげていくため、中同協企業連携推進連絡会に「食と農」連携グループの設置を提案し、承認を受けました。テーマ別研究・連携グループの第1号だそうです。

 今年7月には、「食と農」連携グループのキックオフ集会を兼ね、とかち支部農業経営部会25周年記念事業が帯広市で開催されます。

 また、農業関連部会の全道交流会は2月1日に北見市で開かれます。

「中小企業家しんぶん」 2013年 1月 5日号より