【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】23
取引先との関係について「製品・サービスの生産・提供の際には、取引先との信頼関係をもとにした円滑な関係づくりが大切ですが、あなたの会社はどのように取引先との関係強化を図っていますか」と問いかけています。
「取引先」とは「仕入れ先、協力企業、元請け等」で、私達が商品やサービスを提供するために必要な外部の事業者のすべてです。
すべての商品やサービスの提供を、自社内の経営資源でまかなえるのであれば「取引先」は不要です。
しかし、高度に発達した情報通信・物流等の経営環境を基礎にした近代的生産活動では1社あるいは1人の手だけで商品やサービスの完結はできません。
私達は「取引先」の力を得て顧客が求める価値を提供する一連の業務プロセスを成立させているのです。
言い換えればお互いの企業が持っている強みを生かし、自社の弱みがカバーされ、より高次の価値が顧客に提供されているのです。従って、取引先はなくてはならないビジネスパートナーなのです。
しかし、一部に不理解があり、取引先の大小や規模などを考えて目下の下請けとして、取り替えがきく消耗品扱いをする場合があります。
当社は、介護保険の要介護認定を受けた利用者に、在宅生活のために必要とする介護サービスのプランを立案するケアマネージャーの会社です。当然、利用者の在宅生活をサポートするために、介護サービスを提供する事業所を「取引先」とし、緊密な連絡調整を行いながら介護サービスを提供しています。
利用者の在宅生活をサポートするための一連の仕事の流れには「目上」も「目下」も無く、共に利用者の在宅生活を支える同志として関わり続けているのです。
ですから当社の使命のひとつとして「利用者と家族の人生に向かい合い共感しあえる介護サービス業者と共に育ちあう使命」という少しお節介な理念をかかげています。
良いサービスを実現するためには「取引先の会社と社員も育ってもらう」ことがどうしても必要なのです。
取引先を「取り替えのきく消耗品」扱いをしているような会社は、取引先に対して、良いサービスを求めなくなり、ひいては自分達自身の価値自体が問われることになるのです。
良い商品・サービスを提供するために、優れたビジネスパートナーとして育ち合うことをめざしましょう。
香川県ケアマネジメントセンター(株) 代表取締役 林 哲也(香川)
中同協企業変革支援プログラム検討プロジェクト委員
「中小企業家しんぶん」 2013年 5月 5日号より