高校求人について府下の高校と鼎談(ていだん)例会【大阪】

校長先生39名が参加し議論

 大阪同友会の高校求人部が中心となって、6月28日府下の高校の校長先生と合同で例会を開催しました。府立高校の校長先生39名、教育委員会から3名、会員40名が出席しました。相互の理解を深め共通の課題を確認するために、大阪同友会の堂上勝己代表理事がコーディネーターとなり、赤石義博中同協相談役幹事、府立平野高校の市橋剛校長、府立布施北高校の湯峯郁子校長が鼎談(てい だん)を行いました(=写真)。

 まず、市橋校長から同友会と連携して取り組んでいるキャリア支援授業の成果が報告されました。同校では、生徒を数名のグループに分け、各グループに会員が入って働くことの意味や将来のビジョンを話しあうキャリア支援授業を3年前から実施してきました。同校長が大きな成果として強調されたのが、先生方の意識の変化です。取り組みの過程で、会員企業を訪問し、経営者から経営理念やビジョンを聞く機会をつくり、「中小企業に対する教員の意識がガラッと変わりました」と報告しました。

 湯峯校長は、同友会の会員が10年前の創設時から参画して確立した同校のデュアルシステムの取り組みと現状について発言されました。デュアルシステムは、1週間の授業の内、1年の間、まる1日を事業所での実習を行う制度です。同校長は、同友会の会合に出席して「共育ち」の理念を学び、地域の企業での実習を通じて「基本的な勤労観、職業観に目を開かせている」と報告されました。

 こうした発言を受けて、赤石氏は、各高校との連携した取り組みが同友会の設立の原点とも合致している、共同求人の原点は、地域づくりの運動であるとともに社会教育運動であると指摘。地域とのかかわりの中で「人育て」の運動の一翼を担おうと呼びかけ、共感が広がりました。この鼎談を受け、地域ごとに分かれてグループ討論も行い、いくつかのグループでは、地域の経営者に対する要望も出されました。

 例会を通じて、相互の理解が深まりました。今後、「人育て」を共通の課題に地域の学校と中小企業が連携を強化し、地域づくりの運動を更に発展させることが期待されます。今回の例会は、同友会の参加者と校長先生方にとって、生徒の成長や人生を支えるお互いの決意や連帯感を確認する場ともなりました。

「中小企業家しんぶん」 2013年 7月 25日号より