【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】32
年間2500を超える小グループ会合が
2012年度、愛知同友会(期首会員数3192名)では、基礎的組織である53地区のもとに、196の小グループが設けられ、このグループ会だけでも年間2500を超える会合が開かれました。これ以外にも経営指針など課題別の小グループもあり、すべて会員による自主運営となっています。
小グループ会の会場の半分は会員の会社で行われ、年間1200件を数えます。この企業訪問では、参加者が社内や工場内の雰囲気も感じながら訪問先の会員の報告を聞くことで、経営課題が身近になり、自らの経営に照らして、課題解決へ向けた意見交換を深めることができます。
1会合あたりの参加者は10~15名で、近隣の企業や入会時の推薦者などもいて、よく知り合った関係であるため、討論がはずみます。
時代への適応
昨年発刊された愛知同友会50年史『道なきみちを』にも紹介されているように、愛知同友会の活動は時代に適応して行われてきました。それは創立翌年の1963年から組織が分割され、支部・地区・委員会などの改廃・新設が頻繁に行われてきました。
組織は一旦つくられると硬直的になりますが、会社の組織と同様に、時代の変化への適応が素早く行われてきた証しといえます。また組織が細分化されると、まとめ役のリーダーが必要となり、継続的にリーダーが輩出される仕組みともなっています。
このように愛知同友会の活力の源泉には自主的・主体的な活動が根底にあるといえます。会員の自主運営のため、組織の数は無限に増やすことができます。これにより、地域に網の目のように学びの輪が広がり、少人数で中身の濃い議論が深まっています。
『同友Aichi』第438号から転載。
「中小企業家しんぶん」 2013年 9月 15日号より